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「今日は何年の何月何日ですか?」  青年に向かって、焦ったように問いかける。消印の日付と近ければ、自分が受け取った可能性が高かった。 「知らない。日付など俺には必要ない」  青年は不貞腐れたようにそっぽを向いてしまう。  正確な事が分からないが、重要な手がかりであることは間違いなかった。  慌ててもう片方のポケットに手を入れてみると、小さな布袋が入っている。固く小さな感触がして中身を出してみると、翡翠の指輪と金剛石《ダイヤモンド》の指輪が入っていた。  こんな高価な物を自分が何故持っているのかと、思わず唾を飲み込む。宝石はかなり高価な物だ。庶民が簡単に手に入る筈がない。  自分の物かも分からない以上は、無闇矢鱈に扱わない方がいいだろう。  持ち物や服装を総合的に見ると、自分は公家か資産家あたりの家の出なのかもしれない。 「思い出した?」  青年が胡散臭そうな目でこちらを見つめる。最初の時の気遣いの見られた印象とは随分異なっていた。  優しげな雰囲気は消え去り、猫のようにどこか素っ気なさを感じてしまう。

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