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 ヒスイに上体を起こされるも、体に力が入らない。思っている以上に、熱が上がっているようだった。  湯呑を口元に近づけられ、薄っすらと唇を開く。それなのに、どうしても唇の端から溢れてしまう。  ヒスイが小さく舌打ちすると、湯呑が遠ざけられる。 「飲まないと治らないから……」  分かっていても、どうしても上手く飲めない。 「す、すみ…ません……」  震える唇を動かし、目を閉じる。熱にうかされた目元から涙が伝う。その涙ですら、熱いような気がした。 「少し、口開け」  ヒスイの言葉に僅かに唇を開く。甘い香りが強くなると同時に、少し冷たく柔らかい感触が唇に触れる。 「んっ……」  ゆっくりと苦い液体が流し込まれ、思わず吐き出しそうになった。  それを阻止するかのように、ぬるっとした冷たい物が唇を割って差し込まれる。  薄っすらと目を開くと、ヒスイの顔が間近にあって動揺してしまう。綺麗な目元が薄く開かれていて、翡翠がかった瞳が目の前まで迫っていた。

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