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「お兄ちゃんの手紙を見つけた時のヒスイ」 「凄く驚いた後、凄く怒ってた」 「驚いて怒ったの?」  天野の問いかけに二人が揃って頷く。 「アイツは馬鹿だ」 「俺の気も知らないくせに」  ヒスイの真似をするように、二人が顔を顰め唇を尖らせる。いつもの可愛らしい声を、少し低めに発している。 「俺が探してくるから」 「お前たちは此処にいろ……って」  二人が表情を和らげると、目をより一層細くした。 「ヒスイが一番慌てて」 「一番心配してたんだよ」 「えっ……」  二人の言葉に天野は唖然として、言葉を失う。まさかヒスイが一番に、自分の事を心配していてくれたのかと思うと、嬉しさと切なさに目の縁が熱くなった。  突然の襖が開く音に、天野の肩が軽く跳ねる。 「お前たち! 出来たから運ぶの手伝え」  ヒスイの声に二人が立ち上がると「ヒスイには言わないでね」「怒られるから」と天野に耳打ちして、バタバタとヒスイの所へと行ってしまう。  天野は庭の闇に一瞥をくれると、二人の後を追うように腰を上げた。

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