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ミエルンデス6話

「ごめんね。せんせ」 さっきから何度も謝る徳川。 いつもの迫力ある彼とは違いなんかションボリしてて可愛い。 このションボリ具合は子供って感じがしてホッとしてしまう。 うん、徳川もこんな所あるんだな!子供みたいに可愛い。いや、子供か! でも、治療はテキパキしてて、ちょっともたついて欲しかった俺にはなんとも……ションボリしてるくせにシッカリさんか!なんて心でツッコミ。 「ちゃんと気をつけてたはずなのにな」 シッカリの次はションボリか。うん、可愛いぞ徳川! 「だから気にするなって」 俺は徳川の頭を勢いで撫でた。 あ、別にやましい所……いや、先生なんだから生徒の頭撫でる資格はあるもんね。 撫でた徳川は顔を上げて俺をみた。 黒目がちの綺麗な瞳。 おお、純粋な日本人って感じでいいなあ。 俺なんて色素薄いもんな。 「せんせ……」 徳川の綺麗な瞳は俺を映していて、そんな、見つめられたら……徳川の手が伸びてきて、俺の顔を触る。 やっぱ、デカイな徳川の手。 それに温かい。 徳川って顔………整ってるなあ。 間近で見る徳川は本当に綺麗で見惚れていたら、凄く間近に顔があって、唇に温かい何かが触れた。 はい? チュッって、唇に………唇に?何かが触れたんだ? 頭がたった今、停止してしまい。次にまた温かいものが触れた瞬間に、それが徳川の唇だと理解した。 「えっっっ!!!」 俺は叫ぶと徳川から素早く離れた。 なに?なに?うそ、いまのなに? いま、チュッって、離れたはずの徳川がまた俺の近くきて、腕を掴んだ。 「せんせ、顔真っ赤」 ニコッと冷静に微笑む高校生が目の前にいる。 「とくとく、とくがわ~~、ま、まて、いま、なにした!」 自分で何語を話しているか分からない。 とにかく、動揺してるよな俺? 「なに?先生にキスしたけど?」 なに?アンタばか?みたいな顔で俺を見ているような気がする。 「きききき、キスは先生としちゃダメだ!女のこ、としなさい!」 「どうして?」 どうして?どうしてと聞くのか徳川! 「俺は男だし、先生だ!」 「でも、先生は女より綺麗だよ」 「ば、ばか!男に綺麗とか!大人をからかうな!」 「からかってないよ?」 徳川にグイッと引き寄せられ、またキスされそうに。 「だ、だめ!俺ははじめてなんだ!」 ……………げっ! おれ、何を口走った? 「先生、キス初めてだった?」 し、しまった! 自爆テロか俺は! 自分で地雷を踏んでしまったぞ。 「いや、ちがう、その初めてじゃなく男とキスするの初めて……そう!男は初めてなんだ!だから」 「優しくして欲しいってこと?」 徳川は俺を引き寄せ腰に手を回してきた。 「ば、ばか!ちがう!だめ!」 俺は徳川を押し退けて、「もう、帰る!」 と立ちあがる。 靴を履こうと玄関に行こうとするけど、後ろから徳川に抱きしめられた。 「だめ、先生………今夜は帰さない」 耳元で囁かれるイケメンボイス。 ゾクッときた。 そして、ドキドキと心臓が早く脈打ちだしてきた。 「琳先生………帰らないで」 抱きしめてくる腕がキツくて、俺はその場から動けない。 なんていうんだっけ?金縛り? うん、金縛りみたいだ。 「徳川……はなして……」 だめだ、このままじゃ…… 「琳………帰らないでよ」 耳元でまた囁いてくる。しかも呼び捨て! 「こら、年上を……」 と文句言おうと顔を向けると唇が重なってきた。 「……!!!」 しかも、ヌルリと舌が!うわあ!舌が!うそー! 生暖かい生き物みたいなヌメヌメしたものが口の中に侵入してきて、俺の舌に絡もうとする。 絡む、だめ!絶対! 拒否しようと舌を動かすと、それが逆効果で完全に絡まれてしまった。 くちゅ、って何のおとだ! 耳の中にくちゅ、くちゅ、って何度も響いてるよ? それに舌って………きもちいい? 気持ちいいなんて知らなかった。 くちゅ、って大きな音がして舌が口内から出ていった。 あれ?もうちょっと気持ち良くなりたかったのに…… 「ふふ、先生、もの足りなさそう」 ニヤリッと笑う徳川。 ああっ!しまった!徳川とディープチュウしてしまったあああ!! 「ば、ばか、離せ!」 しかももの足りなさそうとか言われたし! 「だめ!離したら帰るんでしょ?だからだめ!」 徳川がそう言った後に身体がフワリと浮いた。 あれ? なんで浮いた? そう思っていると浮いたままに移動。 ああ、俺って凄い!浮いたままに移動とか…………って、ちがう! 「降ろせ徳川!ばか!」 俺は徳川にお姫様抱っこされているのだ。 「小麦って呼んだら降ろしてあげるよ」 また、あの黒目がちの瞳が俺を見つめる。 「いや、ほら、降ろして」 「呼ばないと降ろさないよ?」 ガシッと両手に抱っこされた俺は徳川のいう事を聞かないとダメみたいで、 「こ、こむぎ……降ろせ」 と言った。 「良く言えました」 徳川は俺をベッドへと降ろした。 ……………でええええ!ベッド! やべえ、ベッドってベッドって、あれじゃん!エッチする時使うもの。 降ろされた俺は立ち上がろうとする。 「だめ、帰さないよ。先生」 徳川に押し倒された。 やばい!これは明らかにやばい! 俺はクビになる! 生徒と不純異性、いや不純同性交遊とかクビだ! それに俺は童貞なんだ!エッチするなら男に掘られるより女の子としたい! 「いやだってば!徳川やだ!」 必死に抵抗。 でも押さえつけられた腕を振り解けない。 俺は無力。

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