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ミエルンデス10話

「先生の髪……サラサラで綺麗だね」 撫でながら言う徳川。 な、なんかソレは女の子とかに言う台詞じゃね? って、いうか、離れるなら今やん! 片手離れてるんだから力、緩んでる。 逃げようと顔を上げると頭にあった手のひらが頬にきた。 「先生、目大きいね」 ニコッと笑う徳川。 あああ、なんだよ!その笑顔は! 力拔けるやんけ。 徳川の笑顔は凄く可愛くて見とれてしまう。 黒目がちの瞳に吸い込まれそうだ。 親指が俺の唇を触ってきてるのに、なんで俺は逃げないんだろう? 「先生、しばらく俺んとこいなよ?住む所ないでしょ?」 あっ………そうだ、1番大事な事忘れてた。 部屋に帰れない。 新しく部屋を借りるのも時間かかるしなあ。 今夜は泊めてもらうけどさ、長居はダメじゃない? ほら、生徒と先生だし………それに、 「いてよ……先生」 ゾクゾクとくるボイス。 これが俺をダメにする。 「うん」 あ、ほら、うんって言っちゃった! 「側に居てくれた方が先生を守れる」 へっ? いま、なんて? 「守るとか……男に言う台詞じゃないだろ!しかも、俺は年上だ!」 そうだ!俺は年上だ!先生だ! 「ふふ、可愛い!」 徳川は余裕の笑みで俺の頭を撫でる。 あー、くそ!ばかにしやがってー!もう、怒った! 俺は徳川の腕の中から脱出すると、徳川から離れた。 「どうしたの?」 徳川も起き上がり俺の直ぐ側に。 側に来るなっつーの! 俺は微妙に離れる。 「徳川、あまり年上を馬鹿にするなよ!」 プイっと横を向いて怒る素振り。 「もしかして怒ってる?」 もしかしてとか聞くな!みりゃわかるだろ! 「怒ってるよ!」 勢い良く振り向くと徳川のドアップ。 「先生の仕草ひとつ、ひとつが犯罪レベルで可愛いからさ、怒ってる仕草も俺には可愛く見える」 って、余裕の微笑み! きぃー!バカにしやがってえええ! 「お前な!」 文句を言おうとすると、 「先生、怒らんないでよ」 ウルウルした瞳で俺を見ている徳川。 うっ、は、反則だろその瞳は…… なんか、捨て犬みたいなウルウル瞳。 なんか……思い出すじゃん、昔飼ってた犬を。 柴犬で俺に凄く懐いてて、賢くてさ、怒ると徳川みたいに瞳をウルウルさせて俺を見ているんだ。 だから、つい、 「もう怒ってない」 と許してしまう。 「本当?良かった!じゃあ、もう遅いから寝よ?」 ニコッと笑うと徳川は俺の手をひいて立ち上がる。 ◆◆◆◆ 遅いから寝るのはいいけどさ………… 「徳川、一緒のベッドに寝るのか?」 徳川は俺と一緒にベッドに横になっている。 だ、だめだろ! 「ベッドひとつしかないもん」 「ないもん!って、俺は下で寝るから」 「シーツとかも一組しかないよ」 「そ、そのまま寝る!」 俺はベッドから降りようとするが、 「大丈夫、何もしないから」 と言われた。 「ばか!俺は女の子か!」 何もしないとか男に言う台詞かって! 「それとも、何かして欲しい?」 「な、んなわけあるか!」 俺は起き上がり抗議。 「顔真っ赤」 フフッと笑う徳川。 くそ、またからかわれた。 「やっぱ下で寝る!」 「だーめ!」 後ろから両腕がにゅっと伸びてきて俺を捕まえた。 羽交い締めっぽい。 「こら、離せ!」 ジタバタと暴れる。 「大人しくしないとキスするよ?」 耳元で囁かれた。 ビクンと身体が反応する。 「大人しくなっちゃったね。俺とそんなキスしたくない?」 色っぽい声が耳元で聞えた瞬間、くちゅっと粘着質な音が耳に届く。 徳川の舌が俺の耳を舐めている音だ。 「ん、……やめ」 背中がゾクゾクして、小刻みに身体が震えだす。 抵抗しているつもりなのに、耳を軽く噛まれたり舐めてきたり、 「んんっ、……あっ」 って、俺……何感じてんの? えっ?俺って今……感じてんの?うそ…… 戸惑う俺を挑発するようにシャツの中に手が入ってきた。 「やあ、だめ」 それはダメだろ! 徳川の手を払いのけようとして、腕を掴まれて、そのままベッドに組み敷かれた。 徳川は俺の両手首を掴んで押さえている。 そして、さっきの続きみたいに首筋を舐めてきた。 「やぁ………だめ、こむぎ」 首筋に舌の感触。 ぺちゃぺちゃと舐めている音がして、そして、吸われた。 「ああ、や、んんっ」 だめ、駄目だって!俺はこんなの馴れてないし、それに…… 「徳川やめろ!俺は先生だ!こんなのダメなんだからな!」 男同士だし、先生と生徒。 こんなのダメに決まっている。 「じゃあ、リンって呼ぶ」 「ばか、そんな問題か!」 「小麦ってまた呼んでよ。りん」 徳川はそう言うとまた首筋を舐めてきた。 「だめ!小麦!」 「ふふ、犬を叱ってるみたいだね」 俺を見下ろす徳川。 犬……うん、徳川は大型犬だ。 「ハウス!小麦!」 って、乗りツッコミしてる場合か! 「リン……すごく、可愛い。俺………リンをずっと守れるよ?だから、俺と一緒にいようよ」 「だから、そんなセリフは女の子に言えって!」 ジタバタ暴れてみる。 「リンにしか言わない、リンしか守らない」 真顔で俺を見下ろす徳川にドキっとしてしまった。 急に真顔とか反則だし、なんだよソレ、告白みたいだ。 「リンみたいな霊感体質は俺しか守れないよ」 ………………はっ? いま、なんて?

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