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レイカンタイシツナンデス 5話
「琳、何キョロキョロしてんの?」
徳川が戻って来た。
「えっ?何でもない」
気のせいだな。うん、きっと、気のせい。
俺は食べたいデザートをカートに入れ、徳川の後を着いていく。
でも、なーんか、視線を感じるんだよなあ。
野郎2人の買い物なんて、そんな珍しくないだろうし、手を繋いでるっていうなら見られても仕方ないけど、徳川は前を歩き、俺はカートを押している。
よく見る風景っぽいのに。
俺が感じた視線はスーパーに居る間感じていた。
◆◆◆◆
「琳、手伝って」
徳川の部屋に戻り、夕食の手伝いを要求され、台所に立つ。
主に徳川が調理するから俺は野菜の皮剥いたり、食器出したり、チビッコのお手伝いみたいで情けない。
「徳川って、料理いつ覚えたの?」
「小麦」
「えっ?小麦?待って」
俺は調味料が入っていると思われるシンクの下を見る。
「琳って天然なのな」
クスクス笑う徳川。
「はっ?」
「2人の時は小麦って呼んでって行ったじゃん」
あっ………そっちの小麦ね。
勘違い。調味料じゃなかった。
間違ったからちょっと顔が熱い。
「顔、真っ赤……ほんと、琳って俺のツボを刺激してくれるよね」
徳川の手のひらがまた俺の頭に。
「つ、ツボって……なんだよ?」
「俺が琳を可愛いって思う仕草や言葉……」
頭に置かれた手のひらが俺の頬にスッと優しく移動してきた。
頬に触れる手のひらは俺の顔を上に向かせて、徳川の顔が近付いてくる。
近くで見ると、徳川は本当に綺麗な顔をしているよなあ。
なんて言うの?ジャニーズ?ジュノンボーイ?
「げ、芸能界に興味ないの?」
近付いてきた顔にそう言うと、
「あはは、やっぱ琳って天然で可愛い」
徳川は笑いだした。
そのせいで、頬の手のひらと顔は離れたけれども。
「だっ、だって、それだけ綺麗ならアイドルとか」
「アイドルは琳の方だろ?男子生徒のアイドル。男子高なんだからさ、琳、気をつけないと」
「えっ?誰がアイドル?なんで気をつけないといけないわけ?」
徳川が言った事にキョトン。
「気付いてない?琳は結構狙われてんだけどね」
「はっ?なんで?俺はお金とか持ってないよ?」
俺がそう言うと徳川はまた笑いだした。
徳川って笑い上戸?
「そうじゃない。琳を口説こうとか……琳とエッチな事したいとか……そんな意味だよ」
はあっ?はああ!?
なに、言ってんの?徳川?
「俺、男」
「だから?」
「だからって、えっ?」
徳川は俺を引き寄せた。
「俺は琳にこういう事したいけど?……琳が男だって分ってても」
徳川はぎゅっと俺を抱きしめる。
ちょ、おま、毎回、毎回!!
腕の中で抵抗するけど、アッサリと抱き込まれてる俺って……
「琳、顔上げてよ」
徳川がいう通り、俺は顔を伏せている。
上げれるかよ!恥ずかしいだろ!
「琳……」
名前を呼んで耳に息を吹きかけてきた徳川。
「おまっ、」
弱いって知ってて!!くすぐったくて顔を上げた。
目の前に徳川の顔。
そして、唇を塞がれた。
「…………!!!」
徳川めええええ!
暴れてキスから逃れようとするけど、ヌルリと舌が侵入してきた。
口内に侵入てきたエイリアンは俺の舌を捕えて絡んでくる。
「……んんっ、」
徳川やめっ!!
首を振ろうにも動かせない。
エイリアンは俺の舌をすっかり支配してしまった。
絡みつく舌は次第に気持ち良くなってきて、すごーく、すごーく、気持ちいい。
やばい………
絡んでくる舌に俺も絡めてしまってる。
くちゅ、くちゅ、って音がしてる。
すげえ、……なんか、すごく気持ちいい。
やがて、舌が離れた。
「琳…すげえ、エロい顔」
徳川はそう言って俺の弱い耳朶を軽く噛む。
「ん、…そこ、やっ……」
くすぐったい。
「いや?どこならいい?」
徳川のイケメンボイスが耳まで気持ち良くしてくる。
「いってよ琳………気持ち良くしてあげるから」
徳川は俺の首筋へ唇を這わす。
「きす…………」
「キスがいいの?」
俺は頷く。
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