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レイカンタイシツナンデス 9話

「んじゃ、寝るぞ」 俺は徳川にガッシリ掴まれたまま(正確には小脇に抱えられて)ベッドへ。 「い、一緒に寝るの?俺、シーツとか持ってきたし、下で寝る」 流石にベッドは持ち込まなかった。 徳川の部屋だし、ベッドを2台置けないしさ。 管理人さんが処分してくれるって言うから任せてきたけども。 だからマットとシーツとか枕とかはある。 「は?今から箱開けさせる気か?」 すんげえ、嫌そうな顔しやがった。 「じ、自分で出すし」 「横でゴソゴソされたら迷惑なんだけど?」 うおっ!そう来ましたか? 「ほら、琳の負け!観念しろ」 徳川はそう言って俺を押し倒して寝技に持ち込んだ。 「ちょー!ギブ!ギブアップ!」 上に乗られ重い。 「あ!徳川、風呂!風呂入ってないだろ?」 「だから小麦だってば、………風呂なら琳より先に入った。なんで沸いてると思ってたんだよ?」 「あ……」 そっか、俺が寝てた間にね。 ………うん?そう言えば俺が寝る前に……キスされてた時に声が響いたよな? それで、徳川が部屋を出ていって、影虎に俺を守ってろって…… 「なあ、こ……小麦」 徳川て呼ぶと不機嫌になりそうだから名前を呼んでみた。 すると、なんてこったい、徳川がめっちゃ嬉しそうな顔をしているではないか。 ニコッて笑って…… この顔はすげえ子供っぽくて好きかも。 「さっき、あの、なんで出て行ったの?」 子供っぽく笑う徳川の顔がちょい真顔に戻って、 「ん?ちょっと買い忘れ」 と答えた。 めっちゃ嘘ですやん。 こいつ、嘘つくの下手だ…… 「影虎に俺を守れって」 「俺が琳から離れると隙をみて琳に近寄ろうとする霊がウヨウヨいるからだよ」 う、ウヨウヨ…… 「虫みたいな表現するな」 「だって、琳は霊感体質だろ?」 そ、それを言われると…… 「だから、俺が側にいないとダメなんだよ琳は」 徳川はそう言うとまた、子供っぽい笑顔を見せる。 なんか、可愛いかも…… 「だから、一緒に寝よ?」 とぎゅうううっと抱きしめてきた。 「違うだろ!俺は抱きまくらか!!」 くそ、やっぱコイツただのエロガキだ。 可愛いって思ったのにさ。 ふんだ。

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