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ツイテルンデス
俺にはもう、大人の威厳も……先生という威厳もないに等しい。
抱き枕のごとくガッツリと抱き込まれ、徳川と同じベッドに寝ている。
エロい事されたらどうしようとかドキドキしている俺を裏切るように徳川は寝息を立てていやがる。
こんちくしょうめ!
後ろから抱きしめられてるから寝息が俺の髪にあたる。
あたる場所が髪とか……どれだけ、俺は小さいんだよ?
ぐっすり寝やがって。
ぐっすり寝ているから手が緩んでいる事に気付いた。
チャンスか?
俺はゆっくりと徳川の手を外して、身体を起こす。
起き上がると横向きに熟睡している徳川の寝顔が見えた。
俺の気も知らないで、爆睡とかいい根性してんじゃん?
薄明かりの中、充分過ぎるくらい徳川の寝顔が見える。
コイツ、俺の寝顔写メしやがったんだよな?
俺もしてやろうかな?
じっーと寝顔をみると、
…………なんか、無邪気な子供にしか見えない。
男の寝顔なんて……可愛いとか思うのはおかしいかも知れないけど、
すげえ、可愛いんですけど?
間近で見てみる。
……うん、やっぱり可愛い。
それに肌モチモチだな。男のくせに。
くそ、寝てたら可愛いのにコイツは。
生意気な口きくし、エロいし……
エロい………よな。唇とか………
視線が徳川の唇へと行ってしまう。
だって、散々キスされたし………キス上手いし……
ガキのくせに、上手いとかさ……ずるいじゃんか。
指で徳川の唇に触れる。
やわらかい唇。女の子みたいだな。
ほんと、エロい……徳川め!
顔を近付けて間近で見てみる。
間近でみても、コイツはエロい………
あー、もう!!!
俺は水を飲みたくなってベッドから降りた。
歩くと下がスースーと。
あ、俺はノーパンだった。
徳川のシャツだけで、めっちゃ彼氏の家に泊まりに来ている彼女状態じゃないか?
いや、普通は下着履かせるよな?
徳川がエロいだけなんだよ。
それに、エロい事してくるかと思ったのにさ!!
………あれ?いま、何考えてた?
エロい事待ってたみたいな?
いんや、違う!!断じて違う!
冷蔵庫からペットボトルを取り出してフタを開けるとヤケの飲み。
半分くらい飲んでぷはっと息をつく。
トントン、
えっ?なに?何の音?
小さく音がした。
ノックするような?
気のせい?そう考えていると、
トントンっ、とまた音が。
えっ?この部屋?
俺は何故か忍び足で玄関へいく。
トントン、トントン、
やっぱりノックされてる。
この部屋だよな?
えっ?まさか徳川の友達がきたとか?
うえ、やべえ、俺の格好みたら誤解される。
俺は慌てて下着を探そうとスイッチに手をかける。
ところで、今何時だよ?
深夜だよな?徳川の友達は不良か?
俺は時間を見ようと携帯を手にする。
すると、知らない番号から何件も着信が入っていた。
誰だよ?
しかも、着信はほんの数秒前まで鳴っていたようだ。
あ、音切ってたもんな。
しかし、誰だろ?
悩んでいる間にその番号から着信がきた。
えっ?えっ?
ちょ、ビックリするんだけど?
タイミング良すぎー!
知らない番号だから出るのは躊躇してしまう。
でも、番号を変えた知り合いだったら?
こんな深夜に電話?
深夜2時だぞ?
でも、急用かも知れないし…
意を決して電話に出ようとするが、その手をガシッと掴まれた。
急に掴まれビクッとなって掴んだ人物を見た。
「出なくていい」
徳川だった。
「えっ?でも」
急用かも知れない。躊躇する俺の手から携帯を奪うと徳川は電池パックを抜いた。
へっ?普通に電源切ればいいのに?
いや、それよりも俺の携帯にかかってきたんだから俺の知り合いかもしんねーだろうが!
文句を言おうとした瞬間に、
ドンドンドンドン、と激しくドアをノックされた。
激しい音に俺はビクっとなる。
ちょっと、……怖いんですけど?
それに………なんで?なんか異常過ぎないか?
深夜に勝手にきて、寝てるかも知れない相手に……
それに、どうしてインターフォンを鳴らさない?
ドアを叩くよりも確実だろ?
その異常さに少し怖くなり後ろに下る。
すると、ガチャガチャガチャガチャとドアノブを動かす。
「琳、こっちへ」
徳川は俺をベッドへと連れていくと、抱きしめてきた。
「大丈夫、すぐ居なくなるから」
そう言いながら。
「怖くないよ。俺も影虎もいるから」
ぎゅっと力が入る。
俺、もしかして怖がってる?
………うん、怖い。背中がゾワゾワしてくる。
この感触は死神がきた時と同じだ。
じゃあ、ドアの向こうにいるモノって、人じゃない?
ドアを叩く激しい音とドアノブをガチャガチャと触る雄とに耳を塞ぐ。
「琳、大丈夫だよ」
頭を撫でる徳川。
なんだろ?凄く安心する。
徳川の胸に顔をくっつけて、両手を彼の身体に回す。
………うん、なんか安心する。
抱き枕みたいな心地良さと安心感に俺は目を閉じた。
◆◆◆◆◆
暫くして目を開けた。
音……………、しなくなってる。
「おはよ、琳。珍しく自分で起きたな」
徳川の声。
その声がする方へ姿勢を向ける。
あれ?
俺もしかして、寝てた?
ベッドに横になってるもんな俺。
「すんげえ、セクシーだよ琳。」
ニヤニヤする徳川。
何がセクシー?
と身体を動かす。
「なに?朝から誘ってる?」
そう言うと徳川が俺のある部分をタッチ。
撫で撫でと触られる場所は尻。
尻……を撫で…直で感じる徳川の手のひらの感触。
視線を何気に向けると、
裾がまくれ上がって尻が丸出し。
……………えっ?尻?
おわっ!尻いいいい!!
俺は覚醒し、シーツを頭からかぶった。
尻、尻触られたあああ!!
「なんだよ?こっちは琳の裸も全部見てるし、チンコだって触っただろ?」
シーツの向こうから徳川の声。
な、なんて事言うんだよおおおおっ!
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