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ツイテルンデス 5話
弾け飛んだボタンがパラパラと床に落ちる。
「や、やだ!」
思わず出た声。
田代は本気なのか?本気で俺を?
外気に触れた俺の肌を見つめる田代は、
「想像通りだね、リンちゃんの肌……白くて、女よりも綺麗だ。それにココもピンクで可愛い」
そう言って指先で俺の乳首を摘んだ。
「田代、やめろって!俺は男だぞ?こんなこと、女の子とするもんだろ?」
「なに?女の子をレイプしろって言ってんの?いけないセンセだね。リンちゃん」
田代はそう言うと俺の首筋をペロリと舐めた。
「ひやっ、」
ヌルリと感じる舌の感触。ゾワゾワと背中に寒気がして、声が出てしまった。
「そ、そんな事じゃない、レイプはダメだ!こういう事は合意の上で……愛し合っている者同士でするもんだろ?」
思わず言葉にしてしまったのだけど、これを言った事で田代の雰囲気がかわり、俺の背中のゾワゾワもいっそう酷くなった。
「徳川とやっぱり付き合ってんだ?徳川とセックスしまくってんだ?先生……俺より、徳川がいいんだ!そんなの許さない許さない許さない!」
怒鳴り散らす田代。
田代が怒鳴る度に身体の震えが酷くなってきた。
それに気付いた田代は俺の頬に手を当てると、
「ごめん、リンちゃん怖がらせて。すごく、震えてるね……可愛い。」
と笑った。
背中のザワザワが消えたけど、俺の状況は変わらない。
「ねえ、リンちゃん……徳川と別れてとは言わないけど、俺とも付き合ってよ?」
「は?」
「セフレでいいよ?リンちゃんとセックスするだけで我慢するからさ」
田代はそう言って俺の耳朶を甘噛みをしてきた。
「やあっ、やめ」
俺、耳朶弱い。
「俺も先生が好き。………先生が好きです。俺も先生とキスしたい」
耳元で囁かれた言葉…………
思い出した。そうだ、部屋で聞いた言葉だ。
あれは田代が?
田代が言ってたのか?
待てよ?なんか変じゃん?なんで、田代の声が小麦の部屋でするんだよ?
今、いる田代って本物?
「田代………お前、誰だよ?」
答えてくれるわけがないが言葉にした。
「なに言ってんのリンちゃん?俺は田代だよ?」
クスクス笑う田代。
でも、何か変な感じがした。
違う……何か違う!!
何か違うか分からないけど、そう身体のどっかが訴えてくる。
「リンちゃん、俺ね……いつも、リンちゃんで抜いてたんだ。俺の想像の中のリンちゃんは凄くエッチでさ、俺を欲しがって騎乗位してくれたり、フェラしてくれたり……だからね、リンちゃんもやってよ?」
田代は俺のズボンのベルトに手をかけ、外していく。
や、やめろ!!
声を出していると思うのに、出ていない、そんな変な感覚が俺を襲ってくる。
それと同時に身体が動かない。
さっきは動かせた。
見えない鎖で寝かせられている長椅子に縛られているみたいだ。
「ふふ、リンちゃん騒がなくなったね。やっぱり想像通りにエッチが好きなのかな?エロいね、リンちゃん………そこも好き」
騒がなくなったんじゃない!動けないんだ!!
そう言いたかった。
触られるだけでも、嫌悪感があって嫌のに、俺がエッチ好きとか………
エロくない!俺はエロくないぞ!くそっ!
田代は俺のベルトを外し、ファスナーさえも下ろして、一気に脱がせた。
やだ!!!!
抵抗したい!嫌だって言いたい!
なのに、動けない。
なんで?何で動けないんだよ?
何で声出ないんだよ?
出たら誰か気付いてくれる………小麦とか……
ふいに小麦の顔が浮かんだ。
でも、俺がここに居る事を知らない。
いつも、助けてくれるのに、今は……いない。
いないんだ………小麦。
うっ………くっ、こむぎぃ………
なんで、大事な時は居ないんだよ、ばか!!
俺が貞操の危機なのに!!
俺が田代にやられてもいいのかよ?
なんだよ!!ばかあ!!
俺はやだ!絶対にやだ…………キスも、したじゃんか、小麦。
助けろよ………
やなんだよ、どうせなら小麦がいい。
どうせ、やられるなら………小麦がいい。
だから、助けろ!!
「リンちゃん泣いてる?可愛い。大丈夫だよ?すぐに気持ちよくなるから」
田代はそう言うと俺の両足を広げた。
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