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オハライシタインデス 4話
くちゅって、自分から絡めた舌が小さく音を出す。
小麦の両手が俺の頭を包む。
その後、唇を離すと抱き寄せられた。
耳元に聞こえる小麦の荒い息遣い。
凄くエロい。
凄く感じてくれている。なんか、凄く嬉しい俺は変態かも知れない。
「………ん、琳………」
艶っぽい声で名前を呼ばれるだけで、俺も感じてしまう。
手を動かす度に小麦が色っぽくなる。
凄い………もっと、みたい。もっと、聞きたい。
そして、びくんっと身体を震わせて小麦がイッた。
色っぽい吐息。
「きもち………良かった」
耳元で囁かれた。
そして、ベッタリと手についた白い液体を小麦自ら拭く。
あ、コレは俺がやってあげるべきかな。慌ててティシュを取る。
そして、いまさら気付く。
俺、なんか凄い事しなかった?
やってる時は気持ち良さと興奮で、我を忘れちやったけど、終わってみると…………
あああああ!!!
また流されたあああああ!
しかも、俺からもキスしたよな?
雰囲気に呑まれてさ、んちゅって!
ぐわあ!!!
「なに?また、今更ながらの覚醒?」
俺の心をまた読みやがったあ!
「う、うるさい!」
「すんげえ、顔真っ赤だから」
「だから、うるさい!早くズボンはけ!」
ぐわあ!もううう!顔熱いいいい!
なんで、俺って直ぐに流されるし、毎回、毎回………俺のばか。
「琳も、フルチンだけど?」
そう言われ気付く。
そうだ、俺も脱いだんだ。
履こうとしたら止められた。
「ノーパンでいてよ琳」
「やだ!断る!」
「どうせ、下着にもベッタリだろ?」
言われた通り、俺のと小麦の白いやつがベトベトついてる。
「洗濯まだしてなくて良かったね」
小麦は俺のズボンと下着を奪って、堂々とノーパンで洗濯機まで行きやがった。
くそ!いいケツしやがってえええ。
と、後ろ姿を見送った俺でした。
◆◆◆◆◆
洗濯は小麦がしてくれた。
つーか、俺ってすんごい事、したよな?
ジワジワとくる羞恥心。
ああ、何かしてないと恥ずかしさで死ねる。
なので、俺、風呂掃除します!!
「琳、なにしてんの?」
俺が風呂場でゴソゴソしていると、洗濯物を干し終えた小麦がやってきた。
「ふ、風呂掃除……置いて貰うし」
羞恥心を隠す為とか言えない。
「いいのに、気にしなくて」
「気にするよ!風呂は俺も使うしさ」
「ほんと、琳って律儀」
小麦はそう言うと俺の頭を撫で撫で……
な、なんか違うぞ?
「頭、撫でるなよ!!俺の方が年上だぞ!」
「うん、そうだね」
そうだね。なんて言いながら頭撫でるのを止めない小麦。
「だから、俺の方が上なんだってば!」
「いや、琳は下で可愛く喘いで欲しいかな?」
ニコっと微笑む小麦。話が、エロい方向へと進む。このエロガキめ!
「小麦はそればっかだな!」
「思春期だもーん」
小麦の返しに何も言えなくなる俺。
「でも、琳にしか発情しないよ?俺は」
そう言って頭を撫でていた手のひらが頬にきた。
そして、顔が近付く。
いつも、いつも、チュウできると思うなよ!
俺はシャワーで撃退しようと蛇口をひねり、シャワーの方向を確認してなかった事に気付く事になる。
見事に俺にシャワーが…………
「つめたっ!!」
慌てて蛇口を閉める。
「なにやってんの?琳」
クスクス笑う小麦。
ほんと、なにやってんの?俺…………ばか。
「う、うるさい!」
びしょびしょになりながら怒っても情けなさが先にくる。
「ほんと、琳って見ていて飽きないね」
ニコニコ笑いながら小麦は俺が着ている服の裾を持つ。
えっ?なにしてんの?
と、顔を上げる。
「ほら、脱がないと風邪ひくよ?」
「ちょ、子供じゃないんだから、1人で着替えくらい出来るってば!」
必死に服を押さえるけど、小麦との体格の違いや力の差もあるから脱がされてしまった。
「くしゅん」
少し肌寒くてくしゃみが出た。
「ああ、もう、風呂入った方がいいね」
小麦はそう言うと洗ったばかりのバスタブにお湯を溜め始める。
「着替え持ってきてやるからお湯で温まりな」
そう言うと小麦は一旦、風呂場を離れた。
あ…………なんだろう。凄く敗北感なのは。
俺ってとことん、ダメな大人でした。
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