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カクゴデキテルンデス 5話
◆◆◆
うわあ!!俺のバカバカバカ!!
クッションに顔を埋めて手足バタバタさせている俺。
学校が終わるまで九重と目を合わせられないし、話かけられてもちゃんと答えられなかった。
だって、だって、あんな真顔で綺麗とか?
ブサイク言われるより嬉しいけどさ、イケメンに綺麗とか言われるとただの嫌味だし、子供みたいな捨て台詞吐いたし……。
そりゃ、生徒にも舐められますよ!!
「琳、飯食わねーの?」
小麦の声に顔を上げて「食う」と返事。
恥ずかしくても腹は減る。
「あ!!しまった!」
俺は慌てて起きて小麦の側に行く。
「ごめん、今日、俺が飯作る番」
小麦と俺は当番制で色々やろうと決めたのだ。それなのにやってしまった。
しかも俺は先生なのに約束を真っ先に破ってしまった。
「いいよ、俺は飯作るの好きだし、琳が美味しそうに食べてくれたら嬉しいし」
小麦、なんて良い子。
でも、俺は大人だ!甘えてはいけないのだ。
「ダメだよ、明日の小麦の当番変わるから」
「いいよ、琳は仕事で疲れてるだろ?」
ニコッ微笑む小麦。
「小麦……お前ってすげえ良い子」
思わず感動してしまうよ。
「今日だって慣れない事やってただろ?教育実習生の面倒」
「あっ、」
まあ、確かに慣れない。しかも、子供みたいな態度とったしな。
「もし、琳が気にするなら後片付けやって貰えばいいし」
「あ、うん!それはやるよ!」
「じゃあ、交渉成立だね、ご飯食べよう?」
小麦は本当に良い子だ。俺が気にしないようにしてくれる。
そして、小麦の作るご飯は美味しい。
「琳、頬っぺ」
飯を食べているとにゅっと小麦の手が伸びてきて、そして頬を指で触られた。
「ケチャップついてる」
「まじ?」
ちょっとお!俺ってば恥ずかしい。やっぱ子供やん。
ケチャップを拭った指は小麦がペロリと舐めた。
しかも、なんか指先とか舌とかエロいし!!
指舐めるだけでエロいってどういう事?小麦、高校生なのに。
「何?琳も舐めてほしい?」
ニヤリと俺を見て笑う。
「ば、馬鹿じゃない?」
俺は慌てて目を伏せる。
「うん、俺は馬鹿だよ?琳を目の前にすると琳で頭がいっぱいになって馬鹿になっちゃう……すげえ、エロい事とか考えちゃうし」
小麦の手が伸びてきて頬を触る。
「な、なに?またついてる?」
触られた手のひらが熱い。
「ついてるよ」
小麦は俺の横に来ると頬をペロリと舐めた。
「ひゃっ」
ヌルりとした舌の感触に変な声が出た。
「琳……もう、お風呂入ろ?」
耳元で囁かれる。小麦の声は俺をおかしくするんだ。ご飯まだ途中なのに「うん」って返事しちゃうし。風呂入ればその先に何が待っているか分かっているのに逆らえないんだ。
2人して風呂場に行くと先に小麦が服を脱ぐ。
少年の身体つきなのに色気があるのが悔しい。でも、目が離せない。
そして、「琳……」と名前呼ばれて服を脱がされる。
何で抵抗しないのだろう?何で、自分で脱ぐって言わないのだろう?
小麦にされるがまま裸になって浴室へ。
シャワーを浴びると小麦が俺を抱きしめてきて、そのまま自然に唇を重ねた。
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