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ガマンデキナイデス 10話
◆◆◆◆
「琳……」
また、小麦の声……ああ、やっぱいいなあ小麦の声。
「琳……大丈夫?」
その声に目を開けると小麦が俺を見おろしている。
ん?何で?
「突然失神するんだもん、びっくりした」
心配そうな小麦の顔。
失神?
そう言えば俺は小麦に抱っこされてる。
起き上がると洗面台の所で俺はバスタオルをかけられてた。
「失神……?」
どうしたんだっけ?何で倒れたんだっけ?
「やってる途中で琳がイッちゃった後で倒れたんだよ」
「はああ?」
やってる途中ううう?
「そう……で、その後ここに運んだんだよ、もう平気?」
「う、うん」
なんたる失態!!!
「中、ちゃんと洗ったから」
「中って?」
「琳が気を失った後、寝かせてやったんだ……寝顔可愛いし、エッチで失神するのも可愛いしで興奮してさ、いっぱい中に出しちゃった!」
えへへと笑う小麦。
いっぱい出しちゃった……って……おおう!!
「その後、ちゃんと中洗った……生気持ちいいけど琳に負担かかるから後でコンドームをネットで買うから安心して」
安心して……、コンドーム……、って、おい!!
俺は風呂場で未成年と何やってんだよおお!!
この流される性格なんとかしなきゃ。
「ベッドに連れてってやるよ」
「えっ?」
小麦は立ち上がる。
「ちょっ、」
ベッドとかベッドとか……小麦どれだけ体力あるんだよ?
小麦は難なく俺を抱き上げるとベッドへと連れて行く。
「はい、着替え」
ベッドに下ろされて、シャツを渡された。
「これ、小麦のじゃん?」
「彼シャツってやつ!」
「彼シャツって……」
彼シャツって恋人に着せたいっていうあのアイテムですか?
「そ、彼シャツ!俺と琳、深い関係になったわけだし」
深い関係……。
その言葉で一気にベッドでの事と風呂場での事を思い出して死にそうだった。
ああ!!そうだよ!俺は小麦とセックスしたんだ。
深い関係に……うわあああ!!
年下にリードされたあ。
「琳、顔真っ赤」
クスクス笑う小麦。
「琳の初めて嬉しい」
小麦は俺の横に座る。
「……小麦、童貞……」
そうだ、さっき、童貞って。
「琳にあげれて良かった」
「……先……越された」
「えっ?」
「小麦に……」
「えっ?あっ、そっか、琳も童貞だもんな」
頭をグリグリ撫でられた。
「ば、馬鹿にすんなよ!!」
小麦の手を払う。
「琳も童貞卒業したい?」
「えっ?」
「いいよ?琳にならされても」
「えっ?えっ……どういう意味?」
「次は琳が俺に入れる……」
「小麦に……」
「俺に……琳も頑張ってくれたもん、俺も頑張る」
小麦は俺に手を伸ばすと前髪を上にあげて、額にキスした。
頑張るって……えっ、ええっ?俺が小麦を抱くって事?
このイケメン高校生を?
俺の下で……「琳……」って名前を呼んで喘いでくれんの?
想像してしまった。
ベッドに横たわり、俺に組み敷かれて……俺に抱かれる小麦を……。
綺麗な裸体を好き勝手に……できる?
「えっ!ちょっ、琳!!!」
小麦が慌てて俺の顔にタオルを当てた。
「ふお?」
「琳、鼻血!」
鼻血?
そういえば……鼻が熱い。
頭がボーってしてるよ。
◆◆◆◆
なんとか鼻血止まった……。
そして、我に返るとかなり恥ずかしさが身体中を巡りまた、鼻血出そう。
だって、小麦を抱く想像したら鼻血出たとか小麦には言えないいいい!!!!
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