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※2.5-2

「…止めろ、ね」 ダンの身体に引き寄せられる。徐々に前面に移動する指が、薄い胸部に行き着いて這い回った。 撫で上げる掌が既に立ち上がった突起を掠り、思わずブラックウェルが僅かに声を漏らした。ほら見ろと言わんばかりに、ダンは耳元で指摘を囁く。 「触って欲しいなら嘘を吐くな」 違う、と上官が声にならない叫びを発した。地面を睨み付けてどうにか部下の仕打ちに耐えていた矢先、フィールドジャケットの留め具を断りもなく外された。 室内の薄明かりの下に、白い肌が晒される。 其処だけ色を付けた様に、赤く立ち上がった突起が目を引く。 果実を摘むかの如く、ダンがそれを柔らかく触った。引き結んだ唇の隙間から、ブラックウェルが意に反する甘い声を零した。 羞恥に染まる顔を、無理やり上げさせる。 濡れきって尚、睨み付けるヘーゼルの瞳と目が合った。 「少尉」 指を滑らせる。ブラックウェルの表情は、昔好きで良く虐めた女の子に似ていた。 転がして弄ると、上官が華奢な身体を震わせて捩った。消え入りそうな声で、荒い呼吸に侵されながら暴言を寄越した。 なんて可愛らしい生き物かと、必死に抵抗を示す様に見惚れてしまう。嫌われる位追い詰めてしまうのは、自分の性癖だともう諦めていた。 餓鬼なのだ、要するに。ダンは自嘲し、充血する飾りに顔を近付けて甘噛した。 「ひっ…う、…ぁ、あ…あ」 ブラックウェルは途端に目を見開き、襲い来る快感に泣きそうな声を上げた。自立する力を失いかけた脚が、傍目に分かる程痙攣している。 柔らかい熱が敏感な部分を擦り、粘膜で包み込み、執拗に先を弾く。憐れなくらい淫らな体は、ただ純粋にその愛撫に悦んだ。 人一倍高いプライドが、その事実を受け入れられずにガラスの様に砕け散ろうとしていた。 指先の戯弄と同時に吸い上げると、上官は明らかな嬌声を漏らして床に崩れ落ちた。 「…っふ、や…や、ばか…やろ…、」 「まあ、その通りですが」 ダンは膝を付いて自立出来ない身体を抱き上げると、改めて寝具に降ろして横たえる。後ろ手に拘束されたままの上官は、潤みながらも射殺しそうな目で見上げていた。 涙が伝った後を拭ってやって、ダンは下肢に手を這わした。咄嗟に逃げようと試みた身体を抑えつけ、衣服の上から緩やかに性器を撫でる。 思惑通り微かに擡げ始めた箇所を擦ると、あっさりと上がる声に耐えかねてブラックウェルがシーツに顔を埋めた。 片手で器用に自分の留め具を外し、ダンは上着を背後に放った。腕を付いて覆い被さると、白く浮かぶ上官の首筋に唇を落とした。

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