43 / 105

※2.5-4

どうしてこうも人を煽るのだろうと、ダンは憫然たる姿に視線を這わせた。息を潜めていた加虐心が暴れ始めたのを感じた。 水音を立てて、差し入れた指を折り曲げる。 執拗に内壁を掻き回し、何度も拔き刺す。 「ぃ、あ…っふ、や…あッああ…」 意に反して、すっかり身体は感じきっていた。 快楽にどうして良いか分からず、ブラックウェルが悩ましげに身を捩る。 何をされているか理解しているのだろうか。 次にどうされるかも。 やけに純真な上官の反応に眉を寄せ、ダンは粗方解し終えた指を引き抜いた。 「少尉、この間は俺が偶々事務室に行ったから良かったものを。あれじゃアンタ、あの詰まらない男に滅茶苦茶に犯られてましたよ」 この場に第三者が居れば、代わりにお前が犯してどうするとつっこんでくれた筈だ。 淡々と言葉を紡ぐダンが、目で乱れきった相手に返答を促した。ブラックウェルは必死に呼吸を整えようと試みながら、冷めた視線を向ける部下を睨め付ける。 「ッはぁ…、される、か、そんな…」 「何を根拠に言ってるんですか?俺に分かるように説明して貰えますか」 「…する訳ないだ、ろ…男に…!」 上官の叫びを聞いたダンの眉間に皺が刻まれた。 まるで愚者を見るかの様な目に、ブラックウェルがぞくりと悪寒を走らせ慄く。 事が起きた後ですら理解しない相手に、ダンはいい加減腹に据えかねたらしかった。 静かに溜息をつき、前髪を掻き上げる。 そして徐ろにトラウザーのポケットに手を入れ、携帯用の懐中電灯を取り出すと、持ち手を咥え華奢な肩を掴んで俯せにさせた。 「…っ…ダ…ン?」 「息吐いて」 懐中電灯を宛てがい、低い声でそれだけ告げた。 明らかに無機質的な感触に、ブラックウェルの全身が恐怖に戦慄いた。 「や…」 ダンの指が、後孔の入り口を押し広げる。唾液で濡れた黒い懐中電灯を、ゆっくりと其処に押し進めた。 「ひッ…あ、い…っダ、ン、痛…や…」 不憫なほど身を震わせて、襲い来る圧迫感と痛みに上官が目尻から涙を零した。ダンは仕方無く、力を抜かせようと口内に指を差し入れる。 親指で舌を擦り愛撫を施すと、やがて苦痛の喘ぎが艶を帯び始めた。連動して幾何か緩んだ秘所に、部下の手が容赦無く懐中電灯を埋めた。

ともだちにシェアしよう!