Side K 　まぁお前が食ってるチョコレートパフェはいいけどさ、俺今カレー食ってんだよね。くそったれ。汚い口癖やめた方がいいよ、もう言うのをやめた。フツー先輩の誘い断るか？ってさ。部活帰りの寄り道は禁止されてるけど一体守ってるやつ何人いるの？ついでにバイトも禁止。あれもこれも別に俺の部に限ったコトじゃなくて。でもこのカレー運んできたのは同じ学校のヤツ。まぁ家庭の事情ってのも学校は考慮してるから、あれか。俺やコイツが見つかったらどうなるかな。退学、停学、謹慎…はないだろうけど反省文…もまだないか。お呼び出しとお説教くらいかな。 「彼にとっては先輩じゃなかったんじゃないの」 　お前先輩らしいこと、何かしてやってたワケ？年齢が全てだと思ってんの？そのパフェより多分考え甘いんじゃない？そのパフェ全然甘くなさそうだけど。って言葉は飲み込む。生クリームが苦手なコイツはパフェ上部の生クリーム部分を俺の食ってるカレーの米に容赦なく乗せていく。いやなんでパフェ頼んだし。米とルーぐちゃぐちゃにして食うのやめろよ、って言われたし。うるせーな俺の勝手だろ。 「は？先輩はセンパイだろ」 　暫く考える風なカオしてコイツはスプーンを咥える。行儀悪ぃわ。生クリームとルーを混ぜて食ってたら目の前の野郎はうげぇっとか言って、でも残したのお前じゃん？ 「先輩以外何があんだよ」 　おっかない不良とか、ヤリ×ン大将とか。言わないけど。パフェの端に寄せたさくらんぼを手に取ってソイツの薄い唇が開く。女と遊んだ分擦り切れてんじゃねーの。その思考を読まれたのか挑戦的に観月は俺を見た。 「さくらんぼの枝をさ」 「それ知ってる」 　何が言いたいのかな。答えはNO。そんな器用に見える？ 「じゃあ、キスしたことは、あんのかよ」 　答えは。