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Side A

Side A  冷生が小松先輩と話したくない?って訊いてきて、いきなりだったのと小松先輩に会えるの?っていう驚きにおれはすぐに返事が出来なかった。冷生はいたってフツーに言う。小松先輩が退学になったことは冷生の方がよく知ってるはずだ。 「遠方に…その、引っ越す、みたいだから」  難しい表情で冷生は言った。引っ越すの?高校入り直すとか?それとも就職するのかな。 「遠方に?」 「そ、そう…飛行機とか船とかそれくらい…」  冷生はよく分からなそうだった。まだ連絡取り合ってるのかな。 「あのまま別れるの、イヤじゃない?イヤじゃなかったら…この話はなかったことにして。…その、気分悪くさせたらごめんね、“友達として”何かできたらいいなって」  冷生らしくないと思った。どこか歯切れが悪くて。小松先輩に会うのは正直怖いけど、おれもあのまま別れることになるのは嫌だ。多分、そのまま同窓会とかでもきっと会わないだろうし。 「おれ、小松先輩に会いたい」  おれの中の小松先輩はおれにビンタした小松先輩じゃなくて、ずっと朝の爽やかな小松先輩で。それが剥がれるのはやっぱ怖いけど。 「分かった。じゃあ日程調整しておくね。ここじゃ会えないから、小松先輩の家か僕の家になるけど」  親しいのかな。小松先輩の家だったら緊張しちゃうな。きちんと話せるかな。

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