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Side W
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暇過ぎて。オレも学校辞めちまおうかな~ってカンジではある。オレの例の秘密基地というには開放感ありすぎな多目的室のベランダにまた来客。根暗イケメンって称号は外れたけど、まだ少し暗さは残ってるな。
「フラれたわ。っつーかジョーダンだと思われた」
「…ご愁傷様です」
気の利いたこと言えるんじゃねーかよ。で、何の用だよ。オレとお前、そんな仲良かったっけ?バカにしに来たにしてはテンション低いし。まぁこいつはいつでもテンション高い時なんてないか。
「今日はどんなおもしれぇ話してくれんの」
「おもしれぇかは、ちょっと分からないです」
ひとつ分かるのはこいつは面白くないやつってこと。殺気立ってたツラ見たのがウソみたいだ。んで何って話を急かす。
「染サンに重恋くんを会わせようと、思うんです」
こいつ、少しチュウチョしたな。オレもあれから小松には会ってねぇんだよな。会わす顔ないし。だからどんな様子なのかも分からん。
「そうかい」
それで、なんでオレにきくんだよ。勝手に会わせちゃイケない決まりでもあるのかよ。こいつも自分のやることに自信ないタイプか。
「どう思います?」
珍しいね。自信家のイメージあったからなおさらな。オレもセンパイとして見られてるってか。ありがてぇこった。
「どうもこうも。オレの判断の範囲外じゃね、それ」
っていうのが正直な意見だわな。もっと別件で頼ってくれよ。それだったらオレ頼らねぇか。
「範囲外ですか。分かりました。すみません。先輩に訊くことではなかったかもしれないです」
ご丁寧にどうも。
「先輩は」
まだ何か用があるのかよ。冷生チャンは相変わらずベランダには出ないで窓に肘ついてる。
「染サンと長いんですよね」
「よそんちの兄妹とかよりは長いんじゃね」
そうですかって冷生チャンはつぶやいて、何がききてぇのかよく分かんなかった。不思議クンってやつ?こいつが?
「あくまでもしもの話です。IFってやつ」
イフ?イフってなんだ?もしもの話?こいつ、オレと雑談しに来たのか?オレたちそういう関係じゃねぇよな?多分。これやっぱオレ、センパイとして見られてんの。
「…いや」
いやじゃねぇよ、言えよ。気持ち悪ぃな。
「もし、僕と染サンが兄弟になったらどうします」
なんでちょっとうれしそうに言ったの。イヤな兄弟だな。関わりたくないわ。
「2人まとめてぶん殴る」
「理不尽ですね」
変なやつだな。こいつが一番イヤがりそうなジョーダン。暇だから付き合ってるよ、そのつまらねぇ話。
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