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第2話 水溜り 二 (18禁)
背中から乳首を弄る指は器用に意地悪く僕の方から次の行為を求めるのを待っている。
裸で重なる身体から二人の汗が混じり合う。
僕の頸に痕を付けない程度の強さで歯が立てられる。
痕を付けてと思う僕の気持ちってワガママなのかな……
噛んだ痕を辿る濡れた唇。
むず痒く感じる緩慢な愛撫に背中を仰け反らせると、後孔を緩く解していた指が二本になってその間隔をさらに拡げる。
熟れて敏感になった腸の恥壁に空気が流れる感触に、
「 もう、お願い 」
と小さく囁くと、
横抱きにしていた僕の身体を持ち上げ太ももを掴むと、尻の間の隙間にその厚い熱を孕んだ舌を差し込んできた。舌で何度も坑道の襞を舐め回す。一緒に挿入された二本の指は快楽のポイント前立腺辺りのボタンをグリグリと押し込む。
「 あ、やめて、ダメ、、ぁぁ 」
腹の中にイキたくなる欲望の澱が溜まると襞の煽動が始まるのか、草太の指が三本になって僕の吸い付くような動きを抉るようにピストンを繰り返す。
「 ん、ぁ、ぁ、ぁ〜、もっと……」
と吐息で喘ぐような自分の声にさらに煽られ震える身体は軽いイキを繰り返す。
奥までもう少しなのに、草太の長いそれなら届くのに、亀頭でそこをこじ開けて、どっぷりとした液を注いで欲しい。
それでもいつしか僕の硬くなったその先からは白い精子が溢れ出す。僕の射精はどっちかというと長くダラダラと続くらしい。全部出し切る頃には、草太は長い自分のものを扱いてその太く猛った雄芯からやはり勢いよく白いものを飛び散らせていた。
肌に痕は残さないのに、人には見れない陰部は執拗に繰り返す愛撫。それに、僕は恥部を晒したまま結合がなくても何度も吐精させられる。
「 お願い、今日は欲しい 」
何度もいかされた後の掠れた声で草太の雄が欲しいと強請る僕に、
「 いいのか?もう馳が辛いだろう 」
と聞くのももう何度目か……
三年も一緒に暮らしているのに草太の夜の行為は必ず気を使いすぎるほど気を使って挿入なしで終わることも多い、僕の中は気持ちよくない?僕の尻の中はきゅうきゅうと痙攣してるのがわかるのに、草太のそれを挿れても気持ちよくない?
平日、気持ちの昂ぶった時には口と指で愛撫をしながらお互いの雄芯を擦り合わせて慰め合うんだけど、休日くらいは身体の中深い場所を草太に差し出したい、わけがわからなくなるほど狂ったように求められたい。
口にできないその想いを込めて、僕の方から草太の性器に舌を這わせ愛おしくしゃぶるのだけど、その合図もいつも虚しくかわされる。
どうやったらお互いが溺れるほどのセックスができるんだろう?
草太しか知らない僕にはわかりようもなかった。
そんな時にふとよぎるのは、恵さんにはどうだったんだろう?相手が女の人だったら草太は情熱的に愛するんだろうか……という落ち込みそうな疑問。
ダメだな。僕はいつもこの幸せを疑うようなことを考えてしまうんだ。
これが草太と僕のやり方だったら、僕は今の幸せのために受け入れるよ。
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