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Ⅰ:10

 最悪だ。  何なんだこの変態は。  マサキはこれが嫌で逃げたのだろうか?  だとしたらその気持ちにはとても共感できると、ぐちゃぐちゃに乱れた頭の中でマサキを思い浮かべた。  ぐったりとした俺をシャワールームに連れて行き体をおざなりに洗ったかと思うと、八島は嬉々として俺をベッドに突き飛ばす。 「この髪色良いね、地毛なのかな?乾いていても綺麗だけど、濡れるともっと深みが出る」  陽にあたると透けてオレンジ色に見える髪色は、両親が一番嫌っていたものだ。  それを初めて『綺麗だ』と言われたことに、俺は不覚にも一瞬気を抜いてしまった。だがそれは矢張り間違いだった。 「ぃ"い"ッ!?」 「良いね、その生意気そうな目付きも気に入ったよ。凄く怒っていたけど、君に免じて優しくしてあげよう」  八島は俺の髪を加減無しに鷲掴み顔を無理矢理上げさせると、ギンギンに反り立った男根を俺の口元に押し付けた。これの一体どこが優しいって言うんだ。  この男は少し頭がオカシイのかもしれない。 「ほら、咥えて勃たせて。上手くなるように指導してあげるからね」  もうMAXで勃ってんじゃねぇか!! と罵倒したい気持ちを必死で抑え、男臭いそれをそろりと出した舌で舐め… 「あぁあっ!!」 「ぶわっ!?」  舌先が触れた瞬間ドロッとしたものが突然顔面にブチまけられ、少しだけ口に入ったそれは恐ろしく苦くて不味い。慌てて口から吐き出そうとするが八島は更に髪を掴む手に力を込め、俺の頭を前後に無理矢理揺さぶった。 「可愛いなぁ君は!! そんなに恐々とされちゃあ我慢できるワケないじゃないかぁあ!!」 「うぐぇえっ! むぐっ! ぐえぇえっ!! むぐぅうっ!!」

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