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Ⅱ:3

◇  パンパンパンパンパンパンっ!! 『んっ! んっ! んんっ! あっ、だめッ、イクッ、いくぅう! あぁああっ!!』  目の前ではお世辞にも“可愛い”とは言い難い男が、これまた浅黒い肌の男にめちゃくちゃ犯されていた。  それでもその顔はドロドロに蕩けていて気持ち良さげで、ずっとイキっぱなしで。それが例の…尻の穴によって得られる快楽なのだとは信じられなかった。  だってそこは、俺に痛みと気持ち悪さしか与えなかった場所なのだから。  隣をチラリと見てみれば、ユッキーが画面を食い入る様に見ている。 「なぁ…」  こそっと話しかけてみるが、ユッキーはゲイビに夢中で気付かない。 「なぁって、」 「ッ、うわっ、」  軽く手の甲でユッキーの肩を叩けば面白い程に体が跳ねた。 「なっ、何!?」 「あのさ…これって本当に気持ちぃの?」 「え?」 「俺、八島に指入れられた時すげぇ気持ち悪かったし痛かった。こんなアンアン言えるなんて信じらんねぇ」  俺は再び画面に視線を戻したが、ユッキーは俺を見たまま動かなくなった。 「糸くん…お尻弄られたの…?」 「ん? あぁ、ま、少しだけ。その後自分でも触ってみたけど、やっぱ痛くて直ぐ止めた」 「自分で触ったの!?」 「だってさ、もし数馬さんにヤらせろって言われたら困るし……つかあの人ってゲイなんかな? って、わっ!?」  気付けば俺は、ユッキーによって床に押し倒されていた。 「おい…?」 「糸くん…お尻触る時、ちゃんとローション使った…?」 「ローション?」 「男の子は女の子と違って濡れないから…人工的に濡らしてあげないといけないんだよ」  はぁ、はぁ、はぁ  おい、何かコイツ息荒くねぇか?  何となく嫌な予感がしてユッキーを押し退けようとするが、あの小柄で細身で女みたいな奴からは想像もつかない力で俺は押さえ付けられていた。 「使わないと痛いよ…でも、使うと凄く…気持ち良くなれるんだよ…」 「へっ!?」  そう言いながらユッキーが俺のスウェットパンツに手を突っ込んできた。  細くて綺麗な指は引っかかることなく俺の下着の下まで到達し、揉み込まれた尻たぶの感覚に体が反射で飛び跳ねた。 「おいっ、ユッキー! ちょ…お前っ、ぁっ」 「はぁ…はぁ、お尻…柔らか…」  指はどんどん下へと進んでいき、遂にその奥まった場所へと到達する。  ユッキーはスカートの下で固くなった自身を、まだ柔らかいままの俺のソレに擦り付けながら、首筋にちゅっちゅとキスをした。  そうして奥まった場所を指の先でゆっくりと何度も撫でる。その度に俺の背中には訳の分からない感覚が走り、力が抜けた。 「あっ、…ぁ、まっ、」 「糸くん…糸くん可愛い…」 「うぁっ!」  耳を柔く噛まれ思わず声を上げた、その時。  俺は、地獄の底から響く声を自身の耳で捉えた。 「随分と謹慎を満喫してんなぁ、糸ぉ」

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