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Ⅱ:6

 ユッキーがスカートを捲り下着を下ろし苦しげに天を仰ぐソレを取り出した。女の様な見た目に似合わない、赤黒いグロテスクな物を持ってる。  それが俺の尻に入るのか…  それすらも他人事に考えながら、俺はそっと手を伸ばした。 「あっ、あっ、数馬さん…」  数馬さんと目があった。まだ、冷たい目をしている。  伸ばした手は床に着く数馬さんの足を捉え、そっとその足首に触れた。それだけで、俺の鳩尾の辺りがギュッとする。 「数馬さんは、俺がユッキーとセックスしたら…嬉しいの?」 「……あ?」  数馬さんの眉間にシワが寄る。 「っぉれは、あっ…数馬さんに喜んで、欲しい。数馬さんが喜ぶなら…俺も、喜んでユッキーとする…でも、喜ばないなら…俺はしたくない」 「…………」  ユッキーの手が止まった。  今の俺の世界は、数馬さんを中心に回ってる。  言い付けを守らず部屋を出たことは反省してる。俺が全て悪い。お仕置きだって覚悟してる。けど… 「殴ったって良い、閉じ込めたって良い、犯したって良いから…怒ってんなら、お仕置きは数馬さんがして欲しい。俺を…別の誰かに任せないで、数馬さん…」  俺には、アンタしかいないから。 「ひっ、ぃ…」 「何でユキに触らせたか言え」  相変わらずくるんくるんと波打つ赤毛を、前髪から加減無しに掴み上げられた。頭皮からツンとした痛みが走る。  ユッキーは突き飛ばされたのか、ポカンとしながら床に尻餅をついていた。 「あっ、……教えて貰っ…てた」 「何を」 「尻に…数馬さんのを挿れる、ほうほ…ッ」  ハッとした時には視界がぐるっと一回転して、カラダがベッドに沈む。  鼻の先がくっ付く程に近づいた数馬さんの顔はやっぱり綺麗で、どこにも熱なんて持って無いように思えた。でも、さっきまで凍てついていた氷の様なあの瞳の奥に、今は青い炎が揺らめくのが見えた。

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