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第20話
「ご馳走様」
「お粗末さまでした」
綺麗にご飯を平らげてくれた神崎君。片付けはすると言ってお皿を洗ってくれる。
そのまま風呂に入りに行って、15分ほどで髪を濡らしたまま戻ってきた。
「また風邪ひくよ」
「面倒臭い」
「ダメだよ!ほら、やってあげるから!」
ソファに座ってダラダラとしだした神崎君の髪をタオルで拭き、ドライヤーで乾かす。
「まだ寝ないで!」
「起きてる。目を閉じてるだけだ」
「その割には首がコクコクしてるよ」
「······眠い」
ドライヤーを止める。途端ふらっと神崎君の体が傾き、そのままソファに寝転がってしまった。
「ここで寝ないで、ベッドに行こうよ」
「いつもここで寝てるからいい」
「······だから風邪ひいたんだよ!」
神崎君の腕を掴み、そのまま体を起こさせる。
「行くよ」
「······やだ」
「駄々っ子か!」
ついついツッコンでしまった。神崎君はふっと笑ってゆっくり目を開け、自分で歩いて寝室に行ってくれる。
「おやすみ、神崎君」
「おやすみ」
意外な一面を知れた。
俺も早く風呂に入って寝よう。
「冴島」
「え?どうしたの?」
お風呂場に行こうとしたら、寝室に行ったはずの神崎君に呼ばれた。
「今日もベッド使っていいから、遠慮するなよ」
「あ······ありがとう」
「じゃあ、お先に」
「うん」
神崎君がすごく優しい。
胸が高鳴って、何も無いのに早くベッドに行かなきゃ!と急いでお風呂に入った。
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