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第29話 R18
ゆっくりと指を抜く。神崎君は枕を少し退かせて、俺をちろっと見る。
「い、れんのか······?」
「うん。怖い?」
「······別に」
枕を握ってるくせに、そんな強がりを言うのが神崎君らしい。
「腰の下に枕入れようか」
「······何で」
「神崎君の負担が減ると思うよ。ほら、それ貸して」
渋々というように枕をくれた神崎君。腰を浮かせてそこに枕を差し入れる。
「なあ、冴島」
「ん?何?」
「······お前の気持ちを利用して悪い」
不安そうな表情。少しでも神崎君の感じているマイナスな感情を和らげたくて、そっと頬を撫で、キスをする。
「俺は嬉しいから、気にしないで。君が負い目を感じる必要は無い」
「······縋りたくなったんだ。鬱陶しくなったら、離れてくれ」
「ならないよ」
ゴムをつけて、ピタリと後孔にペニスを宛てがう。
「入れるよ」
「ん······」
神崎君の腰を掴み、ゆっくりと挿入する。
「ぅ、ぐ······っ」
「息吐いて」
「ぁ、はぁ······っ、は、ぁ、」
ゴクッと唾を飲む音が大きく聞こえる。
中がきつく締め付けてくるから、長くは持たない気がする。
少し時間がかかって全部が入った。
神崎君は額に汗を浮かべている。早く苦しいのが無くなるように、落ち着いてから神崎君の感じる部分を重点的に突いた。
「ぁ、まっ、待て、冴島······っ」
「神崎君、俺の名前は秀だよ」
「ぅぁ······あ、しゅ、秀、そこばっか、りっ」
名前を呼んでくれた。嬉しくて箍が外れそう。神崎君の手が伸びて、腰を掴んでいた手を掴まれる。
「秀、俺の名前······知ってんだろっ」
「ん、彩葉」
「っは、」
満足そうに頬を緩めた彩葉。体を捩り敏感に拾っている快感を逃がそうとしているようだ。
「彩葉、気持ちよくなって」
「ぅ、あぁっ!」
奥をコツっと突くと、彩葉から抑えきれなかった声が漏れた。
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