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第49話
狭いけど2人で風呂に入って、その夜は静かに寝た。
朝起きると少し腰に違和感があって、それに気づいた秀が俺の腰を撫でて「ごめんね」と謝るから、それに少しイラッとする。
「謝るなよ。」
「でも······」
「謝るならもう2度としない。別にお前じゃなくてもいいんだもんな」
「は?」
「玩具でも十分だろ」
そんな事思ってはないけれど、ふざけてそう言うと、秀が俺を睨みつけた。
「本気で言ってるの?」
「······だったら?」
「俺ね、君を縛り付けること出来るよ」
「······嘘だから、そんな真顔で言うな」
秀の隣から逃げて、煙草を吸う。
未だにこっちをジト目で見てくるから、「面倒臭ぇ」と零すと、目を見開いて俺のところまで走ってくる。
「面倒臭い!?俺がこんなに君を思って······」
「重たい。うざい」
「······ごめん」
睨んでそう言えば大人しくなった。
拗ねたようで、視線を落とし唇を尖らせている。まるで子供だ。抱きしめてやると、俺の肩に顎を置いて「うざいって言われたくない」と小さな声で言う。
「悪かったよ」
「うざいって思ったら好きって言って」
「マイナスな感情をどうやってプラスにするんだよ。」
「気合で」
「······面倒臭ぇ」
抱きしめたまま煙を吐き出した。
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