49 / 188

第49話

狭いけど2人で風呂に入って、その夜は静かに寝た。 朝起きると少し腰に違和感があって、それに気づいた秀が俺の腰を撫でて「ごめんね」と謝るから、それに少しイラッとする。 「謝るなよ。」 「でも······」 「謝るならもう2度としない。別にお前じゃなくてもいいんだもんな」 「は?」 「玩具でも十分だろ」 そんな事思ってはないけれど、ふざけてそう言うと、秀が俺を睨みつけた。 「本気で言ってるの?」 「······だったら?」 「俺ね、君を縛り付けること出来るよ」 「······嘘だから、そんな真顔で言うな」 秀の隣から逃げて、煙草を吸う。 未だにこっちをジト目で見てくるから、「面倒臭ぇ」と零すと、目を見開いて俺のところまで走ってくる。 「面倒臭い!?俺がこんなに君を思って······」 「重たい。うざい」 「······ごめん」 睨んでそう言えば大人しくなった。 拗ねたようで、視線を落とし唇を尖らせている。まるで子供だ。抱きしめてやると、俺の肩に顎を置いて「うざいって言われたくない」と小さな声で言う。 「悪かったよ」 「うざいって思ったら好きって言って」 「マイナスな感情をどうやってプラスにするんだよ。」 「気合で」 「······面倒臭ぇ」 抱きしめたまま煙を吐き出した。

ともだちにシェアしよう!