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第92話 神崎side R18
ああもう、ケツが痛い。
クソ男は飽きずに毎日俺を抱いて、最近じゃ諦めて反抗する事も面倒で、される事は何でも受け入れる事にした。
「アメリア、もっとくれって言いなさい。」
「······ぁ······う、ぇ」
視線を無理矢理合わされ、言葉を言うように急かされる。
「アメリア、早く」
「も、っと······くだ、さ······」
「ああ、綺麗だなぁ」
言うことを聞かないと、もっと苦しめられる。自我を保っていることも苦痛で、まるで人形にでもなったみたいに、求められる事に応えた。
ただ、どうしてもまともに飯は食えない。
味すら感じることの出来ないそれを、無理矢理胃に落としては、すぐに吐き出す。
「ああ、ダメだね。今日も点滴しようか」
「げっ、ぇ······はぁ、はぁ······」
腕にはいくつもの注射の跡。ぼんやりとそこを見ていると、頬を叩かれた。
「ちゃんと聞きなさい」
「············」
「返事は?」
「······は、い」
胃酸で焼けた喉が痛い。
ゲホゲホと痛みに噎せると、首を締められて意識がふんわりとする。ああ、もう、このまま──······
「っ、お······ぁ······!」
「はぁ、気持ちいいね······」
その状態でペニスを突っ込まれ、律動が始まる。
耐え難い現実と呼吸ができないことから、意識が朦朧となり落ちそうになった。そんな時急に肺に空気が入ってきて、痛む身体を震わせながら激しく咳き込む。
中にあった質量もなくなって、何事かと辺りを見ると傍には立岡が立っていて、男を殴り続けている。
「っ、神崎っ!」
「············」
ボーッと立岡を眺める。
ああ、助かったんだ。安心した途端、乾いた目から涙が零れ落ちていった。
「······た、つおか」
「うん、帰ろうね。」
「······ちが、う」
「何?」
帰りたいんじゃない。
もう、こんな姿で誰にも会いたくない。
「こ、ここで、このまま······殺して、くれ」
そうお願いしたのに、立岡は俺を拘束していた道具を解いて、着ていたジャケットを脱いで俺の体に掛ける。
「帰ろう」
立岡のその言葉に、悲しみの色が濃ゆくなった。
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