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第104話 神崎side

幹部に組員が集まってそれぞれがするべき事を再確認した。 「デカいのは久しぶりやもんな。······楽しみ」 そう言ってニヤニヤ笑うのは、速水で。いつもと違う態度に空気がピリピリとする。 「俺、こういう時の速水怖くて嫌い」 「······そうか」 わざわざ俺に小声で伝えてきた相馬に適当に返事をする。 「だってさ、元に戻った時、あんまり覚えてないとか言うんだ。その場その場で集中しすぎて」 「へえ」 「······神崎、聞いてる?」 「聞いてる」 下らない会話をしていると、夏目が相馬の頭を叩いた。 「神崎の邪魔をするな」 「え、邪魔だった?ずっとボーって突っ立ってたから······」 2人の会話は聞こえていたけれど、無視をして、若から命令が降りるのを待つ。 「神崎、お前顔色悪い。何かあったら無理せず下がれよ」 「俺達が無理しないで、誰がやるんだよ」 夏目にかけられた言葉は有難いものだけれど、今は受け入れ難いものだった。 最悪、ここにいる人間の誰かが欠けるかもしれないんだ。そうわかっているから、無理をしてでも護りたい。 「······ごめん」 「別に」 異様な空気の中、夏目の携帯に連絡が入る。 「行くぞ」 そう言った夏目に、巫山戯ていた相馬でさえも、気持ちを引き締めて、さっきまでとは全く違う表情を見せた。

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