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第113話

夕方頃に秀が戻ってきた。そして立岡もやって来て、俺と目が合った途端に頭を下げたから驚いた。 「ごめんっ」 「は?何だよ、それやめろ。」 俺が怪我を負ったことを悔やんでいるようだけれど、そんな必要は無い。きっとあのまま俺が死ななかったのは立岡のおかげだ。すぐに男を取り押さえるように指示を出していたし。 「お前には感謝しかねえから、謝ったりするな」 「······でも、怪我して······それに俺、護れなかった」 「あのなあ、俺は眞宮に入った時点で覚悟決めてるんだ。こんな怪我くらいなんとも思わない」 そう言うとまだ納得のいっていない表情でゆっくりと頷いた。 「カラスのこと、調べてた」 「ああ」 「あいつには勝てる気がしない」 「お前のくせに、弱腰だな」 普段の立岡からは聞けない台詞。 立岡自身もそう思ったようで小さく笑っていた。 「あいつは、経験数が違うよ。」 「結局カラスは浅羽に戻ってねえのか?」 「もし戻ったなら連絡が来るはずだよ。カラスについては志乃が浅羽に協力を求めてたからね。」 「そうか······。あ、ところで相良はどうなった。」 そう聞くと立岡が全部を説明してくれた。 結局勝ったのはうちで、相良は終わったらしい。舞は納得のいっていない様子だったけれど、親父さんに無理矢理頭を下げさせられたとか。 「初めからそうすりゃよかったのにね。可愛い可愛いって育てたからあんなのになるんだよ」 「でも梓君を選んだ時にケジメをつけてなかった志乃も悪いけどね」 秀がそう言ったのと同時に病室のドアが開いた。そこには若が立っていて、「あ、やば」といいながら口元を押さえる秀の頭を叩きたくなる。 「そうだよなぁ、俺が悪いんだよなぁ」 「悪いっていうか······ほら、えっと······」 「志乃が悪いんだって」 「おい立岡!!」 若は面白がってああ言っただけなのに、本気にしてる秀が可笑しい。 「神崎、無事か」 「はい。······あ、そういえば相馬がつまらなさそうでしたよ」 「あいつは······あいつ、うるさいからな。夏目から連絡があって、うるさいし元気そうだからもう帰るってな。」 「さっきもここに来て駄弁って帰りました」 あいつのべらべらと馬鹿みたいに話す癖は治した方がいいと思う。

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