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第122話

「お前に、俺のこと話しておかないといけないな」 「え······?」 突然そう言い出した立岡が、暗い表情のままポツポツと話し出す。 「ずっと言ってなかったんだけど、俺ね兄貴がいるんだよ」 「そうなんだ?確かに高校の時もそんな話はしなかったしなぁ。初めて知ったよ」 「うん。双子なんだ。」 「え!?ぇ、そう······」 「名前は律」 どこかで聞いた名前だ。 ······あれ、そういえば電話でその名前を呼んでいなかったか? 「律と俺は別に仲良くはなくてね。律も情報屋をやってて、俺よりも腕は上だ」 「協力、してくれてたんじゃなかったの······?」 「うん。でも、多分律はカラスと繋がってる。だから今回俺の考えていたことが向こうに筒抜けだった。ごめんね」 「終わったことだから。でも······カラスと繋がってるって言うのは本当?」 こくりと頷いて、そのまま動かなくなる。 「俺はあいつには勝てないんだ。昔からずっとそうだ。······律は何でもできた。俺は何もできなかったから、誰にも大切にされなかったんだ。」 「そんなことないと思うけど。俺の知ってる立岡は頼りになるよ」 「違うんだよっ!!」 突然大声を出し激昴した立岡が立ち上がり、テーブルを強く叩いた。 「俺は昔から何も出来なかった!!いつも······いつもいつも!!」 「お、落ち着いて」 「だから俺は売られたんだっ!何もできない能無しだってっ!!」 「立岡っ!」 肩を掴んで軽く前後に揺さぶった。 目を合わせると、グラグラと瞳を揺らして力なく椅子に座り込む。 「······ごめん、ちょっと······疲れた」 「うん。最近はいろいろあったもんね。少し休もう。」 本当は彩葉を探したくて仕方がなかったけれど、立岡が言うには、立岡の兄に匿われてるらしい。立岡が匿われてるって言うくらいだ、きっと悪い事はされていない。 雨が降っている。 彩葉がこの雨に濡れて、風邪を引いてなかったらいいんだけれど。

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