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第153話
秀が沸かしてくれた風呂に入って、髪を乾かしてもらってからベランダに出て煙草を吸う。
「彩葉、冷えるよ。」
「別にいい」
「煙草、本数増えた?」
「······そんなに」
ちょっと嘘を吐いた。実は最近、少しでもイラッとしたり気分が下がるとすぐに煙草に手を伸ばし吸ってしまっている。以前よりは本数は増えた。
「嘘だね。本当は?」
「······増えた。」
そう言うと秀が苦笑を零す。それを見て煙草の火を消して、部屋に入った。人に落胆される事はどうとも思わないのに、それが秀相手となるとどうも気分が悪い。
「ごめん」
「ん?いいよ。少しずつ本数減らせたらいいね。」
「努力する」
ソファーに座ると秀が隣に来て、俺の肩を抱いた。近くにいるってことだけで、嬉しくて、秀の首筋に鼻先を寄せて、匂いを嗅ぐ。
ボディーソープと、いつもの秀の匂い。
「彩葉?」
「秀······撫でて」
「うん、こう?」
「うん······気持ちいい。秀······」
秀の首に腕を回して抱きついた。
頭を撫でられて、それから腕が背中に回される。
「ちょっとだけ、触らせて。」
「ちょっとじゃなくていいよ。好きなだけ触って。」
秀の頬にキスをして、首に触れた。そこを撫でて、目を合わせ、鼻先にキスをする。
「······なあ、脱いで。」
「え······」
「セックスはまだ······しないけど、触らせてほしい······。」
「ふふっ、いいよ。」
秀が着ていたシャツを脱ぐ。まだ脱ぎ切ってないのに、肌が見えたからついついそこに触れた。
「そんなに触りたかったの?······それなのに、よくしばらく1人でいれたね。」
「我慢してた。お前に迷惑かけないようにって。でももう······我慢するのも疲れる。」
肌に触れると温かかった。俺より焼けた肌は男らしくて好きだ。唇を寄せてキスマークをつける。
「ん!······ごめん彩葉、ちょっとまずい······っ」
「え······ぁ、悪い、これ嫌だった······?」
不安になって、そこに触れながら聞くと首を左右に振る。
「違うんだ、そうじゃなくて······ほら、興奮しちゃって······。」
「あ······」
足に硬いそれが当たる。秀が困ったように笑う。
「ごめん、だからちょっと待ってくれる?」
そんな事言うから、申し訳なさと、まだ今以上に欲しい気持ちが溢れた。
「······嫌だ、待たない。」
「え、はっ、えぇ!?」
秀の履いていたスウェットと下着をズルッとずらした。
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