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第172話
その後も志乃と話していると「ただいまー!」っていう声と「お邪魔します。」という声が聞こえたきた。
「冴島さんだぁ!こんにちは!」
「こんにちは。お出かけ楽しかった?」
「楽しかったです!」
荷物を床に置いて志乃に抱きつき「ただいま」と言ってキスをした梓君。あ、それ可愛いな。俺も彩葉にされたい。
「速水、夏目、何も無かったか?」
「無かったですよぉ。夏目が迷子になる以外は」
「ばっ!速水言うなよ!」
「夏目さんが急に消えてびっくりした。でも見つかったし楽しかったからなんでもいいの。」
志乃から離れた梓君がキッチンに行って「わー!」と大声で叫んだ。
「何だ」
志乃がキッチンに向かい声をかけると、興奮した様子の梓君が戻ってきた。
「ケーキある!」
「ああ。冴島が持ってきてくれたんだ。」
「やったぁ。冴島さんありがとうございます!」
嬉しそうに笑ってる梓君は素直に可愛いなぁって思う。
「いえいえ。······さてと、俺はそろそろお暇しようかな。志乃、ありがとうね。今日話してみるけど、もし喧嘩したら慰めて。」
「喧嘩するな。そうならないように話し合え。」
「······努力はする。」
速水君と夏目君にも挨拶した。
夏目君にはちゃんと一昨日と昨日のお礼を伝えて、それから志乃の家をあとにした。
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