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第181話

事を終えてベッドで裸のまま寝転がる彩葉。後ろから抱きしめて項にキスをする。 「ん······」 「彩葉」 「何。もう疲れた」 「あのね、俺の話聞いてくれないかな。」 そう言うと体をくるっと反転させて、俺の顔を見る。そのまま彩葉には珍しく触れるだけのキスをして「聞く」と言ってくれた。 「彩葉は必要だよ。」 「······それはお前がだろ。」 「違う。志乃も、眞宮組の皆もだ。君が居なくなるのは惜しい。でも皆彩葉の幸せを願ってくれてるから、居なくなることを認めてくれてるんだよ。」 そう言うと彩葉が俺の方に体を寄せてくる。そのまま抱きつかれてドキッとした。 「もういい。お前が俺を必要とするなら、それだけでいい。あとはもう知らない」 「そっ、それは······それは、どうだろう?」 「だって、もう傷つきたくないんだ。本当は誰が俺を必要としてるのか、そんなのもういい。お前がいれば充分だ。」 両手で顔を覆いたくなる。 なんて可愛いんだ。俺がいれば充分だなんて、嬉しくて堪らない言葉だ。 だけどそれだけじゃいけないのはわかってる。俺も、きっと彩葉自身も。 「だめだよ。ちゃんと周りに目を向けて、耳を傾けて。」 「······今の俺の一世一代の告白をなんだと思ってる。」 「嬉しくて堪らないけど、それだけじゃダメって彩葉もわかってるでしょ?」 そう言うと彩葉が顔を上げてムスッとした表情をした。 今日はどうやら心が素直らしい。彩葉の考えていることが表情を見てすぐに分かる。 「怒らないで。俺のお願い聞いて?」 「······仕方ないな」 「ありがとう。志乃も皆も、彩葉に傷ついて欲しくないんだよ。」 「······わかってる。俺がまだ少し迷ってたから、止めて欲しいって思っただけだ。」 素直な彩葉も可愛い。 キスをすると目を細めて「もう一回」と強請ってくる。 「ちゃんと全部理解出来た?」 「うん」 「そう。ならご褒美のキスがいるね」 「早くしろ」 目を閉じた彩葉の唇に、自らのそれを重ねた。

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