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Ⅰ章 在りし日の歌②
バタン
個室のドアが閉まった。
……厠 だ。
「手伝ってください」
「何をだ?」
「先輩のために出すんですから。オカズになってくださいね」
オカズなら学食で食えばいいだろう。
こんな不衛生な所で食事する気か?
「ヒャウんっ」
シャツの上から胸の突起を摘ままれて、変な悲鳴を上げてしまった。
「イイ声♪」
熱い吐息が耳朶にかかる。
気づけば睫毛が触れそうな距離に、彼の眼がある。
「先輩の喘ぎで感じちゃいました」
俺が喘いだって?!
だが文句は飲み込まざるを得なかった。
……おっきい。
ジッパーを下ろして、取り出された彼自身
ゴクリと生唾が喉を伝う。
なんだ?これは……
俺のと全然違う。
初めて見た他人の雄しべ
太い
血管が浮き出ていて、先端が出っ張っている。
……皮を被ってなくても痛くないのか?
雄の性器は包皮で守られている物と思っていたが、そうではないらしい。
レポートに補足しておこう。
それにしても。
先端が剥けると、こうも凶悪になるのか。
べ、別に羨ましくはないが……そのっ
俺よりも立派だ。
彼の手が竿をこすると、ビュクンと上を向いた。
まだ膨らむのかっ!
もう十分でかいのに。
「先輩に見られて悦んでますよ」
ビクン
また大きくなった。
「準備しますから、先輩も今の内に準備してください」
ポケットから出した袋を破って、首をもたげた下半身の雄にゴムを被せる。
手慣れている。
「あれ?後ろ、自分でほぐしてくれると嬉しいのに」
「は?」
どこをどうしろというんだ。
「まぁ、いいです。時間がないから前だけでイキましょう♪」
「ヤァっ!待て」
「待てません」
ジッパーを下ろされて、雄しべを握られる。
「すげっ。先輩の、もうベトベト」
ピュクンっ
堪え性のない昂りが上を向いて、先っぽからお汁が漏れた。
「違うっ、これはっ。お前のを見たらドキドキしてっ」
「俺ので興奮してお漏らししちゃったんですね。嬉しいです♪」
「ハァうッ」
二本まとめて握られてしごかれる。
アぁンァァ
固いィ
熱くて、これ……気持ちイイっ
ビュクビュク
勃起した恥ずかしい肉棒が、いやらしいミルクを垂らす。
二本の雄しべが腹の間で踊っている。
腰の動きが止められない。
勝手に動くぅ。
「ハァフぅ」
熱い。
こすれ合う欲望がたまらない。
俺のよりも形がよくて、逞しい雄をもっと感じたくて腰を突き動かす。
雄しべが密着して、アハぁ……イイっ!
「ヒィヤアァァーン!」
「声、おっきい。もっと聞きたいけど、誰かが来るとヤバイから塞ぎますね」
ゾクリと快感が背筋を這い上った。
生温かい湿った感触が唇に、覆い被さる。
歯列を割って、ニュルリと侵入してきた異物が快楽を植えつける。
ハァハァハァ
紡げない呼吸の狭間から漏れた唾液が、口の端を伝った。
ハぁァンッ、イクぅーッ!
「一緒にイキましょう」
意識が真っ白に染まった……
艶かしい唇が、指の腹で拭った白濁の蜜をペロリと舐める。
「ご馳走さま、ナミ先輩」
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