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第15話

次の日。蓮さんはスーツだから着替えてくると言って一旦家に帰って行った。 ひとりになった部屋でぼーっとソファに座っていると、昨日の蓮さんを思い出してニヤニヤしてしまった。 誰も見てないけど、一応口元を隠す。一応ね。 言ってよかったな。 伝えて良かった。口に出さなきゃ伝わらない。体が繋がったって、心はひとりぼっちのままだ。なんて。 今なら曲とか書けそう。作詞作曲、俺。 ふぃーちゃりんぐ 蓮さん。 嫌がられそうだな。却下だ。 蓮さんが戻ってくるまでの時間で、俺はできる限りの掃除をした。そう多くはないけど、「元」彼女の私物やらを処分して(返してとか言われてないし)俺のと蓮さんのがべっとり付いたシーツを洗濯して、ちょっとお腹すいたな。蓮さん何か食べてくるかな? 家には何もないし、近場でランチしに行くのも良いな。土曜だし混んでそうだけど、散歩しながらお店を探すのも悪くない。 掃除機をかけながら鼻歌なんて歌っちゃってる自分の上機嫌さに少し引いてる。 恋人ができてこんなにワクワクしたのって、いつぶりだろう。 いつの間に、こんなに好きになってたんだろう。 口に出して、蓮さんへの気持ちを再認識した。 やっぱり伝えるって大事だ。 蓮さんが戻ってきたらまた好きって言おう。 何度でも言おう。 「ただいま〜。鍵、ここ置いとくな」 「あ、蓮さん。おかえりなさい好きです。」 「お、おう。ありがと」 ハイテンションな俺にちょっと引き気味の蓮さんは、広げた俺の腕の中に遠慮気味に抱きついた。 可愛い。もっと早く気付けば良かったな。 大好き大好き。俺のもの。

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