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第22話 冬 -1-
「三葵、昼メシ食お?」
「うん」
いつもの昼飯の誘い文句に、俺と壱弥は昼飯とフリースを持っていつものあの場所に向かう……
旧校舎のカーテン裏。
冬場……っても、寒くなったらやっぱ床の上に直は、さみいじゃん?
だからさ、俺と壱弥はここ専用の膝掛けフリースを敷いているんだ。
二人分のフリースを並べて敷くんだ~。ふへへへ……。
そして並んだらさ……
「―……ん、ん……」
「―……は、はぁ……んぅ……」
カーテン裏で壱弥とキスするの……もう何回目だろう?
両思いになってからキスまでは早かったなぁ……。
けど、その先……が、まだだけど……な。
俺的には、そろそろかなって……壱弥はどうなのかな?
こう考えてるの、俺だけ? もっと壱弥と近くなりたいな……。
「―……なぁー三葵、クリスマスイブさ、今年もウチに来るだろ?」
「ミニモミの木の件もあるし、行く! ま、その日は臨時で店の方をちょっと手伝うけどな」
そう。俺んチは花屋さんなのだ。
クリスマスシーズンは花束とかミニモミの木とか……リースなんかもうってる花屋さんなのだ。
そして壱弥の家は"華道"をしているんだけど、毎年ミニモミの木を俺が届けてて、そのままクリスマスケーキを食べて遊ぶのが通例だ。
「ならさ、俺以外"集まり"で夜、誰も居ないから泊まってけよ」
「……」
「三葵?」
「ぅ、うん……! と、とまる……! 絶対泊まるっ!!」
泊まり!!!
昔から何度も壱弥んチには無意味に泊まっているから、親に言えば簡単に許可してくれる。
でも今回の、は……えっと? その、さぁ? なぁ? ……だろ!?
壱弥に「楽しみだな」と答えながら、俺は内心"準備"しようと決めたのだった。
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