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第10話 夏 -3-
「―……眠い……」
俺は昼飯後にくる満腹感の身体のだるさと、プール授業での疲れのダブルパンチで強い眠気をカーテン裏で催していた。
「三葵、プールだったんだ……?」
「うん……」
フラフラしながら壱弥の質問に答える。
手ではタオルで頭をワシャワシャして水気を取る作業をするが、だるい。
俺はどうせ短いから、そのうち乾くだろうと自然乾燥に切り替え、首にタオルを掛けた。
「ほら、髪の毛もっとちゃんと乾かせ」
「ぅ~……う~~~」
俺の横着を見た壱弥が首に掛けてるタオルで使用して、俺の頭をワシャワシャし始めた。
すぐ横に壱弥の居る気配……。
俺は壱弥にそうされる内に、寝落ちしてしまった……。
多分、時間的には十分位だと思うが、俺は壱弥の肩に頭を乗せて寝ていた。
「―……ふぁ!?」
「お? 覚醒したか、三葵」
「か、肩、濡れてないか?」
「大丈夫。俺がちゃんと水分取っておいたから」
「さ、さんきゅー……」
び、びびった……。
そして俺は午後の授業を受けながら、脳内でカーテン裏の出来事に一人悶えに悶えたのである……。
あー、俺ってば何で意識と記憶が曖昧なんだよ!
でも……まぁ、温もり……とか寄りかかった雰囲気的なトコロは永久保存しておこう。
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