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第11話 夏 -4-

―……そんな日の帰り道に見つけた、ちょっと派手なポスター。 「……神社で夏祭りかー。近いな」 「行くか?」 お? 壱弥さん、俺にそれを聞いちゃうんだ? ……答えなど決まっている! 「行く!」 そして俺と壱弥は週末に、近所の神社の祭りに行く事にしたのである! 当日はその神社で待ち合わせて、何だか……い、いや、気分が……デートみたいじゃね!? だってさ、幼馴染で俺達の家は見える範囲にあるんだ。 壱弥の家は俺の家から斜めに見える所にある"お屋敷"で、両親は華道の先生。 俺の家は道の反対側にあるチンマリとした花屋で、壱弥の家に生花を届けたりしている。 わざわざ神社で待ち合わせしなくても良いのですよ。距離的に。 だけど、あえて……! これはちょっと……服装もそれっぽいので合わせたくなるんですよ! 「―……へぇ? 三葵は甚平か。良いな」 「壱弥は浴衣か! 似合ってんゾ~コノコノ~」 まさかの浴衣! 眼福です、眼福! そして俺達はそこそこ賑わいのある屋台通りを歩いて、気になる店で立ち止まり楽しんだ。 そうして本殿に向かう途中の屋台で、俺は無性に射的がしたくなった。 だってさ、棚に並べてある一番ランクの高い人形群の……クマのヌイグルミがあまりにもボロいのが気になったんだ。 他のにもだが、ヌイグルミの左腕には本体にはそぐわないピカピカの"特賞"の腕章があって、見てると妙にウズ付く。 ―……この棚の中で一番ランクが上の中で、クマを落とす!! 俺はそう決めて、店の親父に代金を払い銃を受け取った。 「ぃよ~~し、壱弥、俺が特賞のクマちゃんにヘッドショット決めてヤンよ!!」

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