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第14話 夏 -7-
そしてリンゴ飴を食べ終わり、再びウロウロ……。
このクマちゃん抱っこで後は店を冷やかすだけな感じになったけど、金魚すくいやヨーヨー釣りを見ているだけでも俺は案外楽しめた。
壱弥に色々勧めてみたけど、壱弥も見ているだけで良いと言われれば、まぁ、それまでだろ。
奥まで入って、俺達は再び来た道をプラプラしながら戻り、そのまま家路に着いた。
しかし、俺は熱気溢れる祭りから離れ、だんだんこのクマちゃんヌイグルミに冷静になってきた。
「……このヌイグルミ、どうしよ……さすがに調子こきすぎた」
「……三葵、要らないのか?」
「さすがにここまでデカイのは、色々キツイ……。今度、女のイトコが来たら上げようかなぁ……」
言いながらクマをギュウギュウ抱いて、揺れながら思案する俺。
うーん、欲しそうな親戚……女の子、しかもウチに来そうな……? なかなか浮かばない……
「……なら、俺にくれよ?」
ほぁい?
……ああ、祭りで抱きついてたな、そういえば。
もしかして好きな抱き心地だった?
「……良いけど? 良いんだ?」
「ああ。今日の三葵との思い出にする」
「そ、そっか! んじゃ、やる!」
な、何だよ、その嬉しそうな顔!
俺の体温が一気に上昇して、顔に熱が集中しちまったじゃねーか!
そして俺は壱弥の笑顔に笑顔で返した。
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