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第17話 秋 -3-

「写真よろしく」 「え? は、はい?」 おいおい、壱弥さん、良い笑顔でクラスの女子に何頼んじゃってんの~。 「ま、任せて!? イベントでこういうの撮り慣れてるから!」 おお? 君、食いつき良いね~。でも何故そんなに興奮気味なの……? 「さ、みーちゃん、記念記念~」 「い、いらんわ!」 嘘!! メチャクチャ欲しい!!! 「あ、あと頼んだケーキを食べ終わるまで、この券は追加で」 「壱弥!?」 「みーちゃんの売り上げに貢献するから、膝上に乗って食べさせてよ」 「ひゃぁ!?」 その言葉に壱弥の膝上に俺を乗せたのは、壱弥本人ではなく…… 「……"みーちゃん"、諦めろ。彼はどうやら大口のお客の様だ。笑顔で膝上サービスサービス」 「い、委員長!? 券の売り上げをとった!?」 「みーちゃん、この教室……喫茶内で俺の事は"オーナー"呼びって、全員で決めただろ!!」 「イ、イエス! オーナー!」 「よし、みーちゃん二等兵、貴様は客人を確り接待せよ!」 「二等兵って、ひどくねぇ!? 一番下っ端じゃねぇかよ!」 「返事!」 「ぃ、いえすッ、おーなー!!」 ガ――!! もぉ、やけくそだ!! 「壱弥、美味いかー?」 「うん、みーちゃん。もっと小分けで良いよ。俺がこの店のトップにして上げる」 「ぶッ!!」 言いながらなんでそんなに甘やかすような笑顔を俺に向けてくるんだよ~~! 俺の理性が何者かに試されているのかッ!? そしてオーナーがまた暴走を……。 「……おい、写真部連れて来い!」 「呼ぶな!」 「一年の文化祭の思い出として、卒アルに使えるぞ?」 「使うな!!」 「それに何だか……面白いし?」 「面白がるなー!」 俺の叫びに将校服のコスプレをして給仕役中の漫研女子が、オーナーを「"もっとやれ!"と言いたいけど、ここで趣味の暴走を勝手にするな!」「俺は一腐男子としての需要性をだな……」とか訳の分からない会話を繰り広げている。 ちなみに二人は同じ部活動だ。 そんな漫才会話を聞きつつ、俺は壱弥に餌付け……"あーん"を…… 「みーちゃん、アフターで俺のトコの巨大オバケ屋敷来てよ」 「ぅええええええっ」 作り物だって分かっていても、その手のは苦手なんだよ~~。 しかも"アフター"って、あーた。 アフター = 担当時間外、ってことだろ? どうして壱弥はそんなにノリノリなんだよ~~~?

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