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第2話

施設に入った俺は、周りの子と馴染めず一人だった。そんな俺を見て施設の大人達は困った顔をする。一人でいることはそんなに悪くないだろ…。そう思っていた。 誰にも迷惑かけてない。そう思い込み、ずっと一人でいた。どれだけの大人が俺の行動に頭を悩ませていたかなんて、知らないふりだった。 そんな俺を引き取りたいと言ってくれたのが、今の両親だ。 医者の父親と、看護師の母親。引き取ってくれたのには感謝するが、ほとんど家にいない。 一人、子供がいたこともあり、兄が出来たのは嬉しかった。学校に入るまでは……。 学校に行き始めると、今までコミニケーションを取ってこなかったためか、浮いてしまった。兄に助けを求めて、兄の教室に行けば、人気があるのか常に友達に囲まれていた。 だからか、人が来ない図書室に入り浸った。放課になるたびに図書室に行き、本を読んでいた 遂には、図書館の本をほとんど読み尽くしてしまい二週目に…。そんな俺をみんなは可哀想と嘲笑っていた。俺は相手にすらしなかったが… どう言う経緯で伝わったのか、兄の耳に入り、そこから両親に伝わった。一人で居る方が楽で「友達を作りなさい」と言う両親の言葉に耳を貸さなかった。

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