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第3話

月日が流れ、俺と兄は中学生になった。兄とは一つ違いなため、中学に入学した当初はちょっとした有名人だった。 兄は頭が良く、運動神経も良くて、見た目も完璧。中二にして副会長を任されると言う優等生だ。その弟となれば、周りは勝手に期待する。 俺も、勉強はそこそこ出来、運動神経は兄より良かった。見た目も悪くはない。始めの頃は、期待に応えようと頑張った。俺がどれだけ頑張っても、兄には勝てなかった。 周りは、勝手に期待し応えられないとわかると異口同音に『お兄ちゃんと違って、出来ないんだ』と、俺のことを見放した。 両親も、中学に入った頃から俺と兄を比べては 『なんで出来ないの』と、怒り、一ヶ月経つと口を聞いてくれなくなり、二ヶ月すると、俺の存在を無視するようになった。 半年もすれば、お小遣いだけ置いて料理が出なくなった。二千円のお小遣いでは、到底足りなくて、水を飲んでは空腹に耐えてやり過ごす。 兄は、自分のお小遣いで、たまに俺に食料をくれた。それでも足りなくて、冷蔵庫から食料を時々盗むようにしては食べていた。 そのせいか、俺の身長は伸びず140㎝と小さく、細身だった。学校では勝手に期待しては俺を出来ないと罵る奴ばかりで、家には居場所がなく当然のように俺はグレた。

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