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第5話
それからと言うもの、僕は自分の身体を売ってはお金を稼ぎ、ちゃんとご飯を食べられるようになった。抱かれた後で金額をつけてもらうがはじめに買われた金額より安くならないようにしていた。
高いと文句を言う人はいなくて、どちらかといえば安いと言っては、二、三枚上乗せして払ってくれる人ばかりだった…。
「俺の身体…、そんなにいいの?」
気になっていたし、今日相手にした人は優しい人だったから、聞いてみた。
「嗚呼、君の身体は優秀だね。締りが良くて敏感で、見た目がやんちゃだから、泣かせたくなるし…。また泣き顔が可愛い。善がる姿も淫乱だし、また買いたいくらいだ」
「…ふぅ〜ん。それは残念だな。同じ人には身体売らないから」
「そうだね。まぁ、変な客に当たらないように気をつけなさい」
「優しいな。ありがたくお代貰って帰るよ。
じゃあな」
これが俺のやり方だ。2年ほど続けているから、ウリの界隈では少し有名だった。
『猫みたいに懐かないヤンキーで、名器な奴が格安で買える。しかも、一度きりで二度目はないらしい…。一度きりでもいいから味わってみたいものだ…。何処でウリをしてるから分からないらしい…。出会えたら買う以外の選択肢なんて無い』
これが俺の身体の評価で、存在価値だった。
誰が言い始めたか知らないが、この噂のおかげで、俺の商売は値段が徐々に上がっている。
もちろん、妬んだ同じ商売の人や、もう一度を望む客などから、迷惑な噂を流される事もあるが、何故か誰もその噂を相手にしないため、より恨まれたりなんてことも…。
そんな生活を続けて、今年は受験生となった。
兄と同じ高校に行きたかったが、両親は高校に行く金を出してくれそうにない。
ウリで貯めたお金で行けるのはこの辺では有名なヤンキーが集まる高校しかなかった…。
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