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第19話
お風呂に入って少し落ち付いて来たとは言え、怖いものは怖い…。髪を拭くのもほどほどに、春さんのところに駆けていった…。
そんな俺を受け止めてしっかり髪を拭いてさらにはドライヤーで乾かしてくれた…。
「甘えたな子なんですね。可愛いです」
「ち、がう……。怖いだけ…」
「そうですよね…。僕も一緒に行きますから、そんなに怖がらないでください…」
服も、春さんが貸してくれた。しかし、俺より春さんの方が大きいから、服はダボっとしてしまった…。袖羽織ればなんとかなるが、裾はもう仕方がないかな……。
「あぁ〜、やっぱり少し大きいですね…」
「うん、大丈夫…。ありがと……」
「それでは、行きましょうか。案内してもらえますか?涼くんのバイト先…」
まだ病み上がりだからか、身体が怠い気がする歩きたくないなぁとか、ベットで寝たいなぁとか、そんな事ばかり思ってしまう……。
本当ならちゃんとバイト先に謝る事を考えないといけないのに…。全然頭が働いてない…
「涼くん?大丈夫ですか?まだ怠いですよね…どこかで休憩します?」
「大丈夫……。あと少しで、着くから…」
すると春さんは俺の手を取って、握って来た…なんだろ…落ち着く…?気がするの…気持ちが悪い……。やめて欲しかった…
でも、ずっと繋いでいてほしかった……
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