19 / 28

第19話

お風呂に入って少し落ち付いて来たとは言え、怖いものは怖い…。髪を拭くのもほどほどに、春さんのところに駆けていった…。 そんな俺を受け止めてしっかり髪を拭いてさらにはドライヤーで乾かしてくれた…。 「甘えたな子なんですね。可愛いです」 「ち、がう……。怖いだけ…」 「そうですよね…。僕も一緒に行きますから、そんなに怖がらないでください…」 服も、春さんが貸してくれた。しかし、俺より春さんの方が大きいから、服はダボっとしてしまった…。袖羽織ればなんとかなるが、裾はもう仕方がないかな……。 「あぁ〜、やっぱり少し大きいですね…」 「うん、大丈夫…。ありがと……」 「それでは、行きましょうか。案内してもらえますか?涼くんのバイト先…」 まだ病み上がりだからか、身体が怠い気がする歩きたくないなぁとか、ベットで寝たいなぁとか、そんな事ばかり思ってしまう……。 本当ならちゃんとバイト先に謝る事を考えないといけないのに…。全然頭が働いてない… 「涼くん?大丈夫ですか?まだ怠いですよね…どこかで休憩します?」 「大丈夫……。あと少しで、着くから…」 すると春さんは俺の手を取って、握って来た…なんだろ…落ち着く…?気がするの…気持ちが悪い……。やめて欲しかった… でも、ずっと繋いでいてほしかった……

ともだちにシェアしよう!