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episode.1-16
「初めてか?優しくしてやるから」
「い、要らない…!スパゲッティ冷めるからあっち行って…」
遮る萱島は完全に無視された。
両手を縫い止められ、またも口を塞がれた。
「っ…んん」
更に内部へと沈められる。歯列をなぞる舌が、奇妙な感覚を呼び起こした。
其方に気を取られ、必死に声をあげるまいと抵抗していた矢先。
空いた左手が背中を這い、シャツの上から輪郭を辿る。
次いで、隙間から侵入して直に肌を。
「、ぁ…ッ」
執拗な厭らしさに堪らず声が漏れた。
容赦なく合間から舌が差し込まれた。
不味い、これは非常に不味い。
このままだととんでもない事になる。
深くなる口付けに、懸命に肩を引き剥がそうとする。
背中を撫でていた指先が前面に回る。
(嫌だ、お願いだから、それ以上)
長い指が脇腹を辿り、胸を撫ぜた。
殊更に萱島の身体が震えた。
「…ッっ、…ふぅ」
「良い顔するじゃねえか萱島」
羞恥に至る所が熱い。突起を摘み、弄ぶその動きに唇を噛み締めた。
何だこれ。
抗えないレベルの快楽が押し寄せ、色々と耐えきれず泣きたくなる。
(はやく考えろ、どうにかしろ)
霞がかかる思考に鞭を打つ。自身に覆い被さり、白熱灯を遮る男を呆然と見上げる。
逆光の中、初めてこんなに間近で映したその双眼が。
少し、不思議な様相を湛えていて目を奪われた。
「…っ色、が…」
「あ?」
不意に言葉を発すれば、気を取られた相模が漸く手を止めていた。
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