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episode.2-4

これは思案しているというより、完全に欲求不満の様相では。 些か反応に困っていたら、ガタッと派手な音で隣の副班が席を立った。 「すいません班長!トイレ行ってきます!」 「あ、おい一ノ瀬…」 切羽詰まった様子で走って行く部下に呆然とする。 まさかアレで勃ったのか。 どんなけお手軽なんだお前。 「あ、自分もトイレ行ってきます」 何故かその隣の海堂まで挙手した。 どうせ自分のパソコンから監視カメラ映像でも覗いていたのだろうが、コイツは童貞だから仕方ない。 気付いたら3分の1近くがメインルームから消えていた。 主任のエロテロ以前に、一体この職場には何人の童貞が居るのだろう。牧は悲しみが込み上げてきた。 「何だアイツら…向かいの中華屋の炒飯でも食ったのか」 「確かに向かいの中華屋は不味いですが、そうじゃなくて萱島さん…」 頬杖を突いて見上げると、相手はきょとんと不思議そうに視線を返す。 溜め息が出た。 一先ず面倒な故、この厄介な人間を遠ざける事にした。 「…取り敢えずお使いでも行って来て貰えます?」 耳を劈く様な歓声が轟く。 並行して銃の連射音、飛び交う怒号。 此処は一体何処なのか。 1フロア下りるや、まるで軍のブートキャンプに近い光景が広がっていた。 余りの喧しさと非日常感に、萱島は眉を顰める。 「──派遣調査隊の待機所へようこそ!萱島主任!」 巨躯の黒人が腕を後ろに組んで声を張った。 凄まじい威圧感だった。 見渡すと調査員は大半が異国籍らしかった。 しかもうろつく誰もが体格からして、もう尋常でない。 萱島は本部職員らが滅多に地下2階に立ち寄らない訳を悟った。

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