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episode.3-6

「俺がどんなにその開示が有り難かったか…つまりな、何が言いたいかって、俺もお前の為を思って教えてやるが」 怪訝な表情で顎を上げた。 色素の異なる双眼が、じとりと自分を責めている。 「お前も多分、放っといたら相当ヤバいぞ」 「いやいや…」 「さっき家の前で曲芸でもやる気だったろ。あんな筒型の手摺り普通に落ちるわ」 モロにバレていた。 「…別にそれはそれとして…ヤバくは無いでしょうよ、開店前からパチ屋に列成してるオッサンみたいなもんで…」 「何だその例え」 終いには呆れた表情で勢いを引っ込める。 彼は肩を掴まえながら何と伝えるべきか、逡巡を繰り返している様子だった。 「あー…まあ、だからな…受け売りで悪いが、大事なのは少しずつでも他人に話す事なんだと」 「話す?」 萱島は首を捻った。 うざがられる位、オープンに接しているつもりだったが。 「表層じゃねえぞ、もっと根本の部分をだよ」 「そんな副社長自身理解してない事を言われても」 「おお全く、痛い所を突くなよ萱島。だが正しいかは知らんが俺はこう解している。辛い時は辛いと、そう言えば良い」 綺麗な指の背が頬を撫でた。 一寸何と答えて良いやら惑い、眉尻を下げた萱島が呟いた。 「…それは貴方こそ」 「じゃあ俺らの間に隠し事は無しだ。約束な」 勝手に小指を絡め取られる。 意表を突かれて押し黙った。 飴10割め。 しかし何となく離し難く、暫くその手は繋がれたままだった。 因みに彼は少しの調味料のみで、野菜のごった煮をフレンチへと変貌させた。 料理の出来る人間は、萱島にとって魔法使いに相違無かった。

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