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episode.3-17

「突撃銃6人待機1人か。それを背後から接近してエンジン部にぶち噛ませ、1分程度なら稼いでやる」 「え、隊長、これどうやって」 「ピンを…今抜くな糞野郎、おっ死ぬだろうが。3秒程で爆発するから直前に抜け。お前が外せば諸共だ、せいぜい下手を打つなよ」 身を隠したブロックの一角が斉射で抉れた。 弾幕が凄まじい。 柱から出る隙もない。 この状況を1人で引き付ける気か。 萱島の表情が強張った。 もし外せば全てが終わる。 重責へ、図らずまた息を詰まらせたが。 「…Hey, Don't take it to seriously…You can do it」 殊更柔らかい猫撫で声。弾かれて隣を見れば、寝屋川は普段の険を引っ込め笑んでいた。 「萱島、お前が誰だか教えてやろうか」 一瞬でその目へ惹き付けられる。 心臓が鷲掴まれ、違うベクトルへ跳ね回る。 「他ならぬ俺の部下だ…さあ行け」 お前は無敵だ、そう告げたのと同意だった。 力強い手が背中を押し、身体が前へと進み出る。 萱島はもう躊躇いも捨て、只管に車列に身を隠し死角へ迫った。 ほぼ同時、寝屋川がM4を構え、フルオートで一団を掃射する。 「Come on, baby !! Make your move.…I'll take you all on at once !!(来なお嬢ちゃん、纏めて相手しよう!)」 陣形が崩れる様に車体へと逃げた。 応戦の最中、急な劣勢に敵が声を張り上げる。 「どう言う事だ!調査員は不在の筈だろ!?」 「良く見ろ奴1匹だ!」 「1匹…?」 男は度し難い光景に目を剥く。 容赦無い精確無比な攻撃に、前に出ようにも出られない。 10対1で此方が牽制されていると言うのか。 「無駄撃ちするな!狙え!」 リーダーが怒号を飛ばした。一斉に銃口が塀を向いた。 ブロックを蹴って斉射を避けた寝屋川が、側転しながら反撃を寄越す。 ドアを遮断物にしていた仲間が銃を手放した。 慄き、バディが必死に体勢の崩れた瞬間を狙い撃った。 嘲笑うかの様に紙一重で往なす。 元海兵隊の英雄は追撃すら許さず、M4で一帯を蜂の巣にした。

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