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extra.4-3
「冗談ですよ主任」
「ありがとう」
「拗ねないで下さいよ」
此方から手を繋いでやった。
流石に驚いた相手が視線を戻した。
指の股を開き、根元から撫で上げる。
その何かを含んだ動きへ、面白い様に肩が跳ねていた。
「お、どうしました」
執拗に指を絡め、明らかに性的な意図で擦ってやる。
俯いた主任の横顔がみるみる紅潮し、訳は分からぬままも、身体は嫌がっている様子だった。
俄然楽しくなってきた。
いつもこう、大人しければ可愛いのに。
「お前…やめろよ、それ」
「知らないんですか。血行促進されるんですよ」
ノーガードの耳元に息を掛ける。
明らかにそういった、上擦った悲鳴が漏れた。
「感じたんですか」
「……」
「顔真っ赤ですね」
痴漢にあった女子そのものだ。
肝心な時に何も言えない、非力な相手が急に愛おしくなる。
今度は調子に乗った手で、細い大腿を掴む。
漸くその動きを阻み、萱島が抵抗らしい抵抗を示した。
「な、なに…何怒ってんのさっきから」
「さあ」
「さあって…」
細い癖に中々柔らかい。
内側に無理矢理手を差し入れ、露骨に触った。
「っん、…」
震える唇を袖で塞ぐ。
泣きそうな面へ、図らずも喉が鳴る。
不味いなこれは。
間宮は唇を舐め、目を眇めた。
この場で、本気で犯したくなってしまった。
「やらしい声出さないで下さいよ」
「…だしてない」
「普通に触ってるだけなのに」
因みに此処は、普通に誰もが訪れる休憩所だった。
理性は裏で袖を引いているものの、直に触れる手は知った事では無かった。
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