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(Side遥)
僕らはずっとここにいた
午前の授業は全部お割、あとは午後だけなのだが…………もうめんどくさいね、って話になって、1日中ここにいることがきまった
お昼を食べようと、弁当をみんなが開き始めると………………
晴「……………………(ガタッ」
玲「……………………(ガタッ」
晴也と玲が同時に立ち上がり、扉の向こうを睨みつけている………………
2人で警告のフェロモンを発し、ピリピリとした空気が教室を包む………………
その中で薫はまた鈴を膝の上に乗せ、自分のお弁当を餌付けしている………………
バカなのか……こいつは……
鈴はオロオロとしているが
食欲には逆らえなかったのか、ングングと一生懸命なにかを食べている
それより、なんであいつらは扉を睨みつけているんだ…………?
そう思っていると、コンコンと控えめなノックが聞こえた………………
陽「…………あの、失礼します……」
鈴「………………ヒッ……あ、あぁ…………」
そういって入ってきた子は可愛い子だった
こいつ、レイプ犯か………………
さっきまで震えが収まっていた鈴がカタカタと震え始めた…………
玲「…………なにしにきた……」
陽「あの……鈴先輩と話をさせてください」
晴「…………は?ダメに決まっているだろうっ!」
そういうと、晴也はいっそうフェロモンを濃くした………………うぅっ、気持ち悪い…………
薫も同じ思いだったのか鈴にしがみついている………………
当の鈴は薫にしがみつくので一生懸命で、なにも考えられないようだ……
……というか、なんでこいつはここに……?
遥「きみ、なにしにきたの?」
陽「せ、先輩に謝りに…………」
玲「は?どういう神経をしているんだ……」
陽「………………っ……」
玲にそう言われた彼はキュッと口を閉じ、悔しそうな顔をした……
彼が下を向いた途端、晴也が彼に殴りかかった
ドゴッ
陽「…………っ……がはっ……」
晴「とりあえず、話だけ聞いてやる……
だが、殴っただけじゃ許せない……
あとで、しっかり生徒指導から罰を受けろ……」
陽「……はい……すみません…………」
晴也はそういったあと、薫から鈴を受け取り
腕の中に閉じ込めた
歓迎をしているわけではないが
彼からこちらに来たということはなにかあったのだろう………………それを聞いてからでも判断は遅くない……
彼もそれをさとったのか……
立ったままポツポツと話し始めた…………
陽「……如月さんが……鈴先輩を殺すよう指示してきました………………」
晴「………………如月が……?…………」
陽「僕たちはただ、鈴先輩を清水先輩から離すように、とだけ指示を受けていたので
レイプは僕らの判断です……
しかし、今回は殺せ、と明確に支持がありました…………
多分如月先輩は僕が動かないことを知ってると思います……
なので、ほかの人に殺させると思うんです………………
罪滅ぼしには全くなりませんが……それだけでも伝えようと思い、来ました…………」
晴「…………お前以外にこの事件に関わっている人物全て教えろ…………」
そう晴也がいうと彼は15人ほど名前を告げた………………
15人もいるのか…………?!………………
玲「じ、15人………………多くないか…………?!」
陽「それほど……人気だったんです……
βの時も先輩は人気だったんですけど……
Ωだって分かってからは爆発するように人気が高くなりました…………
僕が知っているのはこれだけですが……もっと多いと思います………………」
そんな…………………………
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