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〃
…………遅い……遅すぎる……
晴也がパシられてから1時間がたとうとしている………………
……はるやぁ……まだかな…………
さっきまで感じられた晴也の匂いがなくなり、寂しさが倍増していく…………
耐えられなくなり俺はモゾモゾと布団から出て
晴也のキャリーケースを開けた……
玲「ん?どうした、鈴」
鈴「れ、れい……はるやぁ…………あぅ……」
玲「???
ど、どうしたんだ!?鈴」
玲に話しかけられることで自分の中で耐えていたタガが外れた…………
ぶわっと涙があふれる…………
はるやぁ、遅い……寂しい、早く帰ってくるって言ったじゃないか…………
おねがいしたのにぃ…………
俺は晴也のキャリーケースをひっくり返し荷物を全部出した
他の四人がギョッとして俺を見ているのがわかる
だが、止められない…………悲しみが溢れてくる…………
俺は晴也のパーカーを掴むと自分の鼻にもっていく
スゥーと息を吸うと胸いっぱいに晴也の匂いが広がる
あぁ、晴也だ…………
少しさみしさが紛れた……
それが嬉しくて俺は布団にせっせと晴也の荷物をもっていき、布団の代わりに晴也の荷物にくるまって寝る…………
玲「なぁ……あれって…………」
遥「巣作りだね……僕、本物の巣初めて見た…………」
玲「あれ、晴也見たらやばいだろ……」
遥「僕らですら、キュン死しそうだもんね……
鈴、すっっごくかわいいんだけど……
……なにあれ、天使?」
玲「うん、天使、間違いなく天使」
後ろでそんな会話がされているなんて俺は全く知らなかった…………
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