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☆ ☆ ☆
『ははは。
それで朝から親とケンカしたのか。おもしれー。』
『お前のパン好きは度を超えてんだよ。』
『うっさい!』
学校に着いて、朝のイライラを分かち合おうと
友人の蓮(れん)と、佑真(ゆうま)に
不満をぶちまけたと言うのに・・・このザマ。
コイツらも、俺のこの怒りを・・・
分かってくれねーのか・・・・。
『はい。そんな大和君に朗報です♪』
後ろから声をかけてきたのは中学からの
友人、孝之介(こうのすけ)だ。
実は、コイツは旨いパン屋を 勘だけで
見つけるという素晴らしい才能を持った、
スッゲーやつ、なのだ。
『朗報!?まさか、新しいパン屋情報?』
『うん。昨日、塾帰りに1本違う道に入ったら・・・
ひっそりと ちっさいパン屋を見つけました!』
『うおおおおー!すげーっっ!!』
『味も保証つきだっ!』
『うわぁお!!孝之介、天才!』
『ははは。行く?』
『行く!行く!今日 行こう!』
『うん。俺もまた食べたいから行こう。』
2人でじゃれあっていると、蓮と佑真が
あきれたように コソコソと・・・
(でも俺に聞こえるように)バカにし始める。
『まーた始まったよ・・・・』
『バカじゃねーの・・・』
『お前ら・・・行かねーの?』
『『行かねーよ。』』
それを聞いた孝之介が、人差し指を立てて、
左右に振りながら、不敵に笑う。
『それは残念。・・店員が超かわいいのになぁ。』
『・・・・えっ?!マジ!?』
『さすが孝之介さまっ!』
『行く?』
『『行く!行きます!』』
・・・なんなんだ、この食いつきよう。
ま、いっか。
行った事ないパン屋かぁ・・・・
楽しみ♪楽しみ♪
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